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EURO準優勝イングランドがベストメンバーを組んだら? 指揮官を悩ます充実のタレントで世界の頂点も視野に

posted2021/07/28 17:01

 
EURO準優勝イングランドがベストメンバーを組んだら? 指揮官を悩ます充実のタレントで世界の頂点も視野に<Number Web> photograph by Getty Images

イタリアに敗れEUROで準優勝に終わったものの、多くのタレントが揃うイングランドの未来は明るい

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粕谷秀樹

粕谷秀樹Hideki Kasuya

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 EURO2020の準優勝は、望外の好成績である。

 イングランドは優勝候補の一角に挙げられていたものの、総合力でフランスやベルギーに劣り、グループステージのパフォーマンスもイマイチ……。筆者も含め、「ベスト8が限界」という否定的な見解も少なくはなかった。

 それでも決勝に進出した。PK戦の末イタリアに敗れたとはいえ、チーム一丸の姿勢はイングランド国民に勇気と感動をもたらした。フットボール強国の第一歩を記した大会として、EURO2020は人々の記憶に深く刻み込まれたに違いない。

 しかも、決してベストメンバーではなかったのである。

右サイドバックには20代前半の逸材が揃う

 右サイドバックの優先順位は、(1)カイル・ウォーカー(2)キーラン・トリッピアー(3)リース・ジェイムズだった。

 ウォーカーは3バックの右センター、トリッピアーは右アウトサイドと左サイドバックでも機能していた。大会最少の2失点は、彼らに負うところも大きい。

 しかし、本来の右サイドバックはトレント・アレクサンダー・アーノルドだったはずだ。コンディション不良で昨シーズンは振るわず、負傷のためにEURO2020のメンバーからは漏れたが、この男の右足から放たれるクロスの精度は非常に正確だ。リーグ2位の13アシストという2019-20シーズンのデータが、A・アーノルドの凄さを証明している。

 彼が右サイドバックに入っていれば、ハリー・ケインの高さにピタリと合わせたり、MFの足もとに絶妙のフィードを配したり、攻撃のバリエーションが豊富になっていただろう。

 また、このポジションにはスピードと柔軟性を身上とするアーロン・ワン・ビサカ、粘り強いマンマークが強みのジェイムズ・ジャスティンなど、20代前半の逸材が揃っている。EURO2020に出場したウォーカー、トリッピアー、ジェイムズの3選手が、来年に迫ったカタール・ワールドカップのメンバーから外れても不思議ではないほど、質量ともに万全だ。

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