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《消えた天才》14歳10カ月でプロデビューしたフレディ・アドゥーは、いま何をしているのか? スウェーデン3部のチームもクビになり… 

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マキシム・オバン

マキシム・オバンMaxime Aubin

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posted2021/07/28 17:00

《消えた天才》14歳10カ月でプロデビューしたフレディ・アドゥーは、いま何をしているのか? スウェーデン3部のチームもクビになり…<Number Web> photograph by L’Équipe

14歳10カ月でプロデビュー。「天才少年」ともてはやされ、ペレともよく比較された少年時代のアドゥー(左)

「たしかにアメリカでは、若いアスリートに魅せられる傾向がある。自分の原稿に責任がないとは思わない。もしまた同じ事態に遭遇したら、書く量はずっと少ないだろう」

 ブルーワイヤーでのワールの記事は大きな驚きを与えた。

「フレディからテキストメッセージが送られてきた。彼は話したがっていた」

 31歳(6月2日の誕生日が過ぎた現在は32歳)のアドゥーは、運命に翻弄された自身の半生をこう振り返った。

「当時の僕はあまりに若く、自分にどんな悪いことが起こっているのかまったく理解できなかった。メディアに取り上げられるのはクールで、サッカー選手として当然のことと思っていた。それこそが問題だったと思えるようになったのは、年齢を重ねてからだ」

 若くしてスター扱いされたことだけがアドゥーの挫折の原因ではないにせよ、それが思春期のパーソナリティに与えた影響については考えざるを得ない。当時のDCユナイテッドの監督やチームメイトたちは、「若さゆえの傲慢さと怠惰」であったと述べている。自らの哲学を持つ今日のアドゥーは次のように語る。

「僕がこうなったのもすべては自分の責任だ。あのころの僕はスポットライトを浴びていたかった。成功のためには努力が不可欠とわかっていたのにそれを怠った」

天才少年の末路

 2018年にMLSの2部にあたるUSLチャンピオンシップのラスベガス・ライツと契約してアメリカに戻ったアドゥーだが、続く2年間をクラブなしで過ごし金銭的にも問題を抱えた。それでも彼はサッカーにこだわり続けた。

「僕のサッカーへの愛はまだ尽きないから、もう終わりだと自分に言い聞かせることはできない。サッカーは僕のすべてだ。もう一度ピッチに戻りたいと心から願っている」と、2020年9月にアドゥーはワールに語っている。

 それからひと月後、彼はスウェーデン3部のエステルレーンからオファーを受けた。

「僕には断ることのできない条件のオファーだった。プレーを再開してトップコンディションに戻るための理想的な環境を、彼らは用意してくれた」

 だが、新たな冒険は長くは続かなかった。翌21年1月、新シーズンに向けてチームに合流したアドゥーを、クラブはひと月後に「フィジカル及びメンタルコンディションの完全な欠落」を理由に解雇した。アドゥーにとって、それは抗うことのできない現実だった。

 3月半ばにアドゥーは、自らのトレーニング姿をSNSで公開した。写真にはこんなコメントを添えている。

「ようやくコンディションが戻り、今は自分を厳しく追い込んでいる」と。

 シリアスになるのが少しだけ遅かった。たぶんそういうことなのだろう……。

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フレディ・アドゥー

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