酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
〈侍ジャパン戦力分析〉左腕の少なさ+千賀滉大と大野雄大は気がかり、野手は充実… “ガチガチの本命”という重圧を跳ねのけられるか
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byJIJI PRESS
posted2021/07/28 06:02
巨人との強化試合に勝利した侍ジャパン。果たして金メダル獲得なるか
<外野手>
近藤健介/27歳 日本ハム▲
76試252打71安7本41点2盗 率.282 OPS.866※
柳田悠岐/32歳 ソフトバンク
88試331打98安22本53点3盗 率.296 OPS.942※
栗原陵矢/25歳 ソフトバンク
88試327打91安10本42点4盗 率.278 OPS.771※
吉田正尚/28歳 オリックス▲
87試315打108安17本55点0盗 率.343 OPS.989※
鈴木誠也/26歳 広島▲
72試248打76安15本38点6盗 率.306 OPS.955
栗原と柳田を除き、2019年プレミア12と同じ顔ぶれ。外野も安定感がある。左翼・吉田正尚、中堅・柳田悠岐、右翼・鈴木誠也とならぶ外野陣は、MLBを除けば、恐らく世界最強だ。
吉田はどんな投手でもどんな状況でも安打を打てる境地に達している感がある。2番に置いて立ち上がりから先制点を取っていくオーダーもあると思う。柳田と鈴木、左右の大砲も今大会屈指だろう。
近藤は、抜群の出塁率で得点に結びつけることができる。オールスター戦は体調不良で欠場したが、体調は戻ったか? 栗原は、オールスター戦で内外野に加え捕手まで務めたが、選手数が限られる中で重宝する存在になるだろう。
投手陣はやや不安のある顔ぶれではあるが、野手陣は顔ぶれを見るだけで心躍る。
メルセデスを擁するドミニカを倒せるか
恐らく現時点の年俸を合算しても、日本代表が6チーム中でダントツになるはず。年俸2位はおそらく韓国で、この2カ国が頂点を争うライバルとなる。端的に言って、これだけの選手を集めて金メダルに手が届かないとなれば、相当痛い。
しかし、子細に見ていけばリスクは無数にある。
7月28日、福島あづま球場で始まる開幕戦で日本はドミニカ共和国と当たる12時プレイボールで、台風の進路次第だが晴れれば気温30度を大きく超えた炎天下での初戦となる。相手先発は巨人の左腕、C.C.メルセデスが予想されており、難敵だ。