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八村塁らバスケ男子代表が戦う“格上”の強豪国たち 世界2位スペインに、アルゼンチンの競争心…ラマスHCが掲げた「1勝」の意味
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byAP/AFLO
posted2021/07/25 17:01
グループリーグでは19年W杯決勝カードだったスペインとアルゼンチンと対戦する日本。悲願の「1勝」へ準備を進める
初戦で日本と対戦するスペインのセルジオ・スカリオロHCは言う。
「日本は手ごわい相手です。フランスとの試合を見ましたが、とてもいい試合をしていました。難しいシュートもよく決めていて、いいチームです。フリオ(ラマスHC)はとてもいい仕事をしています。私たちにとって、オリンピックの最初に、とても難しい試合になると思います」
スカリオロは6月にセリエAのヴィルトゥス・ボローニャのヘッドコーチに就任したが、昨季までは、渡邊が現在所属するトロント・ラプターズでアシスタントコーチを務めていた。
「雄太はとてもいい選手。少し過小評価されているとも思います。彼の先には明るい未来があります」と渡邊を称賛しつつ、「でも今は敵」と気を引き締める。
“黄金世代”が4人も残っている
日本と同じグループCに所属する3チームのうち、スペインとアルゼンチンの2チームは長く世界のトップで競い続けてきた伝統ある強豪国だ。2006年に日本で開催された世界選手権のトップチーム(スペインは優勝、アルゼンチンはベスト4)だったこともあり、日本のバスケ・ファンにとっても馴染み深い。
あれから15年の年月がたつが、今回のスペイン代表には当時の優勝メンバーが4人残っている。パウ・ガソル、マルク・ガソル、ルディ・フェルナンデス、セルヒオ・ロドリゲスの4人だ。80年代生まれの彼らは、スペインを世界の強豪に引き上げた黄金世代として、長くスペインを牽引してきた。とはいえ、さすがに彼らにも引退が近づいてきており、すでに少しずつ世代交代も進んでいる。
彼らに続くスペイン代表の中心選手のひとりで、90年生まれのリッキー・ルビオは言う。
「80年代生まれの世代が減ってきたことで、僕らの担う役割は大きくなってきました。彼らから学ぶと同時に、今は自分たちが前に出て牽引するときだということもわかっています」