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八村塁らバスケ男子代表が戦う“格上”の強豪国たち 世界2位スペインに、アルゼンチンの競争心…ラマスHCが掲げた「1勝」の意味
posted2021/07/25 17:01
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
AP/AFLO
今年2月、東京オリンピックでの男子バスケットボールの組み合わせが発表になったときに、日本代表ヘッドコーチのフリオ・ラマスは目標を「1勝すること」と語った。
どんなに高望みであってもメダルを目標に掲げることが期待されるオリンピックにおいで、傍から見ると、それはとても低い目標に見えたかもしれない。
しかし、これは日本代表にとって謙遜でも何でもなく、悲願と言っていい目標であり、もし達成出来たら歴史的な出来事でもある。
オリンピックの男子5人制バスケットボールに出場できるのは、世界中からわずか12カ国にすぎない。45年ぶりにオリンピックに出場する日本男子代表は、現在の世界ランキングが42位で、今回出場する12カ国のうち一番下だ。ランキングだけで現在のチーム力は測れないとはいえ、同じグループCに入ったのはスペイン(ランキング2位)、アルゼンチン(4位)、スロベニア(16位)と強豪揃い。
NBAでプレーする八村塁や渡邊雄太をはじめ、日本バスケットボール史上で最も戦力が揃った日本代表にとっても、この中で1勝をあげるのは簡単なことではない。
ラマスHCは「オリンピックで運よく勝てるということはなく、特に日本の現状においては、パーフェクトな試合をしなければ勝利は得られません」と言っていた。
「油断」は期待できない
相手が日本に気を抜くことは期待できない。
1次ラウンドは4チームずつのグループに分けられ、上位2チームと、各グループ3位のうち上位2チームが決勝トーナメントに進む。グループラウンドでの1勝、あるいは1敗の重みは大きく、得失点差で順位が左右されることもあるため、どんな相手でも手を抜くことは致命傷だ。それに、大会前の強化試合で2年前のFIBAワールドカップで3位だったフランスに勝利した日本に対して、他国も格下と油断することなく、むしろ警戒の目を向けている。