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八村塁らバスケ男子代表が戦う“格上”の強豪国たち 世界2位スペインに、アルゼンチンの競争心…ラマスHCが掲げた「1勝」の意味 

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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posted2021/07/25 17:01

八村塁らバスケ男子代表が戦う“格上”の強豪国たち 世界2位スペインに、アルゼンチンの競争心…ラマスHCが掲げた「1勝」の意味<Number Web> photograph by AP/AFLO

グループリーグでは19年W杯決勝カードだったスペインとアルゼンチンと対戦する日本。悲願の「1勝」へ準備を進める

 アルゼンチン代表は、スペインより早くに世代交代が進んだ。2006年当時の中心メンバーだった黄金世代はマヌ・ジノビリが3年前に引退するなど、ほとんどの選手が一線を退き、代表メンバーも大きく入れ替わった。

「でも、まだ僕はいるし、プレーしている」と笑うのは41歳のルイス・スコラだ。2006年の世界選手権では26歳、チームで2番目に若かったスコラも、今では白髪も目立つ41歳。今回のアルゼンチン代表では唯一の80年代生まれで、一番年齢が近い選手とでも10歳違う。それでも、若手と共にアルゼンチン代表として戦うことに喜びを感じている。

「僕はバスケットボールをプレーするのが好きで、楽しくプレーしている。バスケットボールをすることは僕にとって人生で、生活のためにやっていることでもあるけれど、と同時にパッションでもあるんだ」とスコラ。

 スペインもアルゼンチンも世代は入れ替わり、新しい選手も入ってきているが、当時からの伝統は継承されている。それこそ、両チームが長く世界の強豪であり続けてきた理由だ。

アルゼンチンは「負けることが大嫌い」

 アルゼンチンのヘッドコーチ、セルヒオ・エルナンデスは、アルゼンチンの伝統についてこう語る。

「私たちはとても競争心が強い。勝つことが大好きで、負けることが大嫌いだ。サイズは大きくなく、運動能力も高いわけではないけれど、賢く、そして競争心が強い選手がいて、チームとしてまとまってプレーするやり方をわかっている。勝利も敗戦も受け入れている。毎回、できるだけいい試合をするように心がけている。いつでも次の試合が自分たちの最後の試合であるかのようにプレーしている。それが(強豪でいられる)理由のひとつだと思う」

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