【野手編3】「北海道4ホーマーだが…」JFE東日本・猪田和希捕手（21歳）

「右の打てる選手ですか……確かに、ウチの補強ポイントにもなってますけど、どこも同じですよ。今のプロ野球の野手が右投げ左打ちの1、2番タイプばかりという指摘も当たってると思います」

　少し前の北海道大会で4ホーマーを放ったJFE東日本・猪田和希捕手（21歳・175cm90kg・右右・神戸国際大付高）を取り上げて、こんな切り口で話していた。

「自分自身はその“4本”を見てないけど、自分たちは“その後”を見たい。バッティングって波がありますから、たまたまその大会でピークにあったとか、グラウンドが狭かったとか、瞬間的にドーン！ってこと、あるんですね。ぼくら、“線”で選手を追ってるんで、本質が見たい。今日の試合見て、まあ、無理やり引っ張りたがらなくなったかな……とは思うけど、じゃあ、一軍の打席で投手圧倒できるようなスイングの怖さがあるのか、ひと振りで仕留めるジャストミート能力があるのか。まあ、上昇軌道にある選手だと思いますから、あと1年ですかね。コンスタントな結果を見せてもらえないと、信用しにくいかな」

【野手編4】「すごく欲しい選手」日本新薬・福永裕基内野手（24歳）

　それなら……と、このスカウト、別の選手の名前を挙げてきた。

「日本新薬の福永のほうが、ずっとプロに近いバッティングだと思いますね」

　日本新薬・福永裕基（24歳・180cm83kg・右右・専修大）、日本選手権では三塁を守っているが、本職は二塁手だ。

　専修大当時のリーグ戦のある試合。この選手が放った猛烈な二塁正面の打球が、構えた二塁手のグラブを弾き飛ばした……そんな場面を覚えている。

　日本選手権の1回戦。＜投手編＞でお伝えしたドラフト上位候補・廣畑敦也（三菱自動車倉敷オーシャンズ）と対戦した4打席のすべてで、センター、ライト方向へライナー性の痛打を飛ばしてみせた。

「打ったというより、4本ともしっかり捉えてるんですよ。投手から見れば、やられた！っていう打球ばかり。廣畑の武器のカットもスプリットも、ちゃんと自分のミートポイントまで引きつけて、文字通り押し込んだバッティング。足もそこそこ走れるし、サード守ってもスローイングが安定してる。個人的には、すごく欲しい選手ですね」

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