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サッカー五輪監督が向き合った“批判と失敗” 遠藤航、吉田麻也や酒井宏樹らを率いた手倉森誠・関塚隆・反町康治の対応は… 

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photograph byJMPA(2),Takuya Sugiyama

posted2021/07/25 06:02

サッカー五輪監督が向き合った“批判と失敗” 遠藤航、吉田麻也や酒井宏樹らを率いた手倉森誠・関塚隆・反町康治の対応は…<Number Web> photograph by JMPA(2),Takuya Sugiyama

手倉森誠、関塚隆、反町康治。それぞれ五輪代表監督としての重圧をどう乗り越えてきたのか

下馬評が低くても“無敵艦隊”スペインを撃破

<名言2>
ここでスペインとやれるなんて、こんな幸せなことはない。今、力を発揮しなかったらいつ発揮するんだ! 思い切ってやろう!
(関塚隆/Number812号 2012年9月13日発売)

◇解説◇
 ロンドン五輪世代のチームは清武弘嗣や宇佐美貴史らテクニカルな選手、最終ラインにも酒井宏樹らを擁し、オーバーエイジでは吉田麻也が加わってなかなかの陣容だった。しかしアジア予選でやや苦しんだことで“批判”を受け、戦前の評価も決して芳しいものではなかった。そんな中でグループステージ初戦は当時EURO連覇を果たすなど、黄金期を謳歌していた“無敵艦隊”スペインと戦うことになった。

 イスコやフアン・マタらが名を連ねる優勝候補相手に悲観ムードが流れたが――日本は大津祐樹のゴールを守り切り、1-0で撃破した。その試合の直前、監督の関塚はこんな言葉で選手たちを鼓舞した。この試合をモノにした日本は勢いに乗り、最終的にはベスト4入りを果たしたのだ。

OA枠を使えなかった北京は“失敗”だったのか

<名言3>
逆にOAを入れなかったことによって、オリンピック世代の選手がはじき出されず、そのなかから将来的に日本がワールドカップで成績を残すのに貢献した選手が出てきたからね。もしかしたら、「失敗」ではなかったかもしれない。
(反町康治/NumberWeb 2021年7月8日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/848759

◇解説◇
 五輪サッカーを勝ち上がるためのカギとなるオーバーエイジ(OA)。24歳以上(東京五輪では25歳以上)の選手を3人チームに加えられる方式だが、この招集に失敗したのが2008年の北京五輪、反町監督率いるチームだった。遠藤保仁と大久保嘉人の招集を希望したものの、選手のコンディション不良と所属クラブとの交渉不調によって、新たな戦力が加わることはなかった。

 若いメンバーで臨んだ本番、初戦のアメリカ戦を0-1で落とすと、ナイジェリアにも豊田陽平のゴールも実らず1-2で敗戦し、決勝トーナメント進出の可能性が2戦で潰えた。そしてオランダにも0-1で敗れ、大きなバッシングを受けたのだ。

【次ページ】 悔しさをW杯、アジア杯での躍進につなげた

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