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逸材ハーランドやウーデゴールに“190cm台の大物”揃い+人権侵害に「NO」 ノルウェーが希望だらけ〈EURO予選敗退国もアツい〉
posted2021/07/17 17:01
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph by
Getty Images
EURO2020における北欧諸国の戦いぶりは凄まじかった。
特に準決勝まで勝ち進んだデンマーク。初戦で核であるクリスティアン・エリクセンが思わぬ形でチームを去ったものの、巧みなチームワークで立て直し、優勝した1992年大会以来となるベスト4入りを果たした。
大会史上初となる2連敗からのグループステージ突破。あのロシア戦で起こした奇跡を目の当たりにして、心打たれぬものなどいないだろう。ピッチ上でのパフォーマンスに加えて、不慮のアクシデントにも冷静に対応したメディカルスタッフ、選手一人一人のパーソナリティには惜しみない拍手が贈られて然るべきだ。
大会前の下馬評が高かったデンマークだけではない。
スウェーデンはスペイン相手に堅牢な守備で引き分けに持ち込み、初戦から大会を盛り上げてみせた。最終的に難敵揃いのグループEを首位通過している。
初出場のフィンランドも、混乱の最中にあるデンマーク相手とはいえ、歴史に残る大会初勝利を挙げてみせた。
北欧で唯一不出場もハーランド、ウーデゴールが
北欧諸国が欧州最高峰の舞台で奮闘するなか、スカンジナビア半島で唯一大会参加国から漏れた国がある。
北極海に面する西岸の国、ノルウェーだ。
EURO2020予選ではプレーオフに残ったものの、セルビアに敗れて5大会ぶりの本大会出場が叶わなかった。だが国際大会から実に20年以上も遠ざかっているノルウェーこそ、今後最も躍進が期待できる北欧の雄なのである。
大きな要因は、EURO出場国に引けを取らぬ選手層だ。
7月21日に21歳を迎えるアーリング・ハーランドは、ヤングスターの筆頭といってもいい選手だ。
そして3月から代表のキャプテンを務めるマルティン・ウーデゴール。2014年にノルウェー史上最年少の15歳253日で代表デビューを飾った神童も22歳。レアル・マドリーが見惚れた才能が開花しつつある。