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逸材ハーランドやウーデゴールに“190cm台の大物”揃い+人権侵害に「NO」 ノルウェーが希望だらけ〈EURO予選敗退国もアツい〉
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph byGetty Images
posted2021/07/17 17:01
ハーランド、ウーデゴールら逸材揃いのノルウェー。カタールの地で見たいチームの1つだ
ボランチが195cm、センターバックは196cm!
守備的MFにはシェフィールド・U所属サンダー・ベルゲがいる。自身の長期離脱とともにチームの2部降格と不本意なシーズンを送ったが、195cmの体躯にはあり余る才能を有している。
ベルゲと同じ23歳、センターバックのクリストファー・アイェルは196cmの長身を生かした空中戦の強さ、その体つきからも見て取れる対人の強さがある。もともとFWや”10番”としてプレーしていただけに、ボールを持ったときの安定感も抜群。その万能性もさることながら、ブレンダン・ロジャーズが「真のリーダー」と評する精神面も兼ねて、スコットランドのメディアではセルティックの先輩にあたるビルヒル・ファンダイクと度々比較されてきた選手だ。
チームの「背骨」ともいえるポジションで、ノルウェーにはこれだけのタレントが揃っている。特筆すべきは皆、齢20代半ばにも満たない若者であることだ。
他にもACミランのイェンス・ハウゲ(21歳)やライプツィヒのアレクサンデル・セルロート(25歳)など、伸びしろのある年代の選手を多く抱えている。
EURO2020が黄金世代最後の国際大会といわれたベルギーのように、一つの世代に才能が集結する例は往々にしてあるもの。数年後には、欧州でも指折りのタレント軍団となっていてもおかしくはない。
W杯予選はオランダ、トルコと同じグループ
EURO本大会を逃したノルウェーが次に目指す場所は、2022年のカタールW杯だ。3月に始まった欧州予選ではオランダ、トルコなどと同じグループに入り、ここまで2勝1敗。オランダが初戦に敗れたこともあって混戦模様のグループGでは、ノルウェーにも十分に予選突破の可能性があるといっていい。
ただ、エースのハーランドはW杯予選でいまだノーゴール。ドルトムントでの面影はなく、それ以前にクロス偏重の攻撃パターンが今のチームに適していないように映る。
チームを率いる指揮官はストーレ・ソルバッケン。チーム全体の高い守備意識とポゼッション重視のフットボール、そして前線のターゲットに積極的にボールを入れる戦術は、コペンハーゲン時代のそれをベースとしている。