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“真剣勝負の昭和→お祭りの平成・令和”NPBオールスター史と2021年出場選手の通算記録… 佐藤輝明ら初出場が多数、最多出場は?

posted2021/07/15 17:03

 
“真剣勝負の昭和→お祭りの平成・令和”NPBオールスター史と2021年出場選手の通算記録… 佐藤輝明ら初出場が多数、最多出場は?<Number Web> photograph by Kyodo News

2019年のオールスターでは近本光司がサイクル安打を達成した。お祭り感が強まった球宴で、どんなプレーが生まれるか

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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大谷翔平の活躍で盛り上がったMLBと、佐藤輝明らの初出場で期待感が高いNPBのオールスター。歴史や数字の観点から後半戦を含め、楽しむポイントを調べてもらった(大谷翔平とMLB編はこちら

 オールスターゲームは、アメリカのある野球少年が「(ア・リーグの強打者)ベーブ・ルースさんと(ナ・リーグのエース)カール・ハッベルさんが対決するのが見たい」と言ったのがきっかけと言われている。このエピソードは、今ではフィクションではないかと言われているが、1933年7月に初めて行われた。

 この当時、アメリカン・リーグとナショナル・リーグのチームの真剣勝負は、ワールドシリーズしかなかった。ヤンキースのベーブ・ルースとジャイアンツのカール・ハッベルは、同じ時代にニューヨークで活躍していたが、その時点でワールドシリーズも含め一度も対戦がなかった。オールスターでは1934年に初対戦したが、ハッベルはルースを相手に三振と四球という結果を残している。

 オールスターゲームは大変好評だったので、野球だけでなくいろいろなプロスポーツで行われるようになった。

昭和の時代は日本シリーズと並ぶ「大勝負」

 日本では1リーグ時代には「東西対抗戦」という形で実質的なオールスター戦が行われていたが、2リーグ分立時の1950年に第1回のオールスター戦を始めることになった。しかし2リーグ分立に際しては、毎日オリオンズ(現ロッテ)が大阪タイガース(現阪神)から大量の選手を引き抜くなど、ルール無用の引き抜き合戦が行われ、セ・パ両リーグの関係が極めて険悪になったため、開催が見送られた。

 第1回のオールスターは翌1951年に始まった。この経緯からもわかるように、昭和の時代のオールスター戦はセ・パ両リーグの威信をかけた日本シリーズと並ぶ「大勝負」だった。

巨人人気が爆発して以降、パが燃やした闘志

 特に1960年代になって、巨人の人気が爆発し、セ・リーグの観客動員がパ・リーグを大きく引き離すようになってからは、パはオールスターでセ・リーグを負かすことに闘志を抱くようになる。

 この当時は、オールスター前になると選手の顔ぶれを並べた勝敗予想の記事が書かれた。野村克也などパの主力選手は、セ・リーグに一泡ふかすために特別にミーティングをするなど、セを倒すことに執念を燃やした。

【次ページ】 交流戦ができて以降は日米ともに……

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