熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
《東京五輪で来日》外国人選手団&メディアの“本音”「他国の誤った行動も我々に…」ブラジル五輪委会長や藤井裕子監督らに聞く
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byYuko Fujii
posted2021/07/14 17:00
藤井裕子監督(右から2人目)らブラジル柔道選手団
バウジーニ記者:自分は、五輪が開催され、世界各国から数万以上の人がやってきて日本各地で2週間前後の事前合宿を行ない、さらに2週間前後、競技を行なうのは極めて危険だと考えている。どれだけ気を付けても、感染を完全に防ぐことは不可能だろう。そのことは、ウガンダ選手団の例を見ても明らかだ。
現在の世界と日本が置かれている状況で五輪を開催することは無謀だと考えており、再延期するか中止すべきだったと考えている。
関係者全員が最善の対策を行なうことを誓うべき
ラグーナ記者:私も、世界と日本の状況を憂慮している。また、これまでのIOC、日本政府、大会組織委員会などの対応にも不手際があったと考えている。しかし、五輪の意義を高く評価するジャーナリストの1人として、関係者による膨大な努力によって開催へ向かって進んでいることを歓迎している。
ただし、本当に大事なのはこれからだ。我々メディアを含む五輪関係者全員が最善の対策を行なうことを誓うべきであり、大会が安全に進行し、閉幕することを心から願っている。
――ブラジルのスポーツファン、さらには一般国民の東京五輪への関心の度合いは?
バウジーニ記者:ブラジルでは、スポーツで圧倒的な人気があるのがフットボール。国中が熱狂するのはワールドカップであり、五輪への興味、関心はそこまでではない。
リオ五輪は自国開催ということでそれなりに盛り上がったが、大会が終わったらまた以前の"フットボールの国"に戻った。
ラグーナ記者:フットボールが昔も今も圧倒的な人気を集めているのは事実だが、ブラジルがメダルを期待できるバレーボール、ビーチバレー、柔道などには相当数のファンがいる。五輪が始まってブラジル人選手が活躍したら、次第に盛り上がるのではないか。
◆ ◆ ◆
ブラジルのスポーツ関係者も、東京五輪を控えた日本の状況と五輪の行方に強い関心を抱いていた。
それでは、新型コロナウイルスが猛威を振るったブラジルで、彼らはいかなる困難に直面し、その中で選手の強化を推し進めてきたのだろうか。
<後編に続く。関連記事からもご覧になれます>
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