審判だけが知っているBACK NUMBER
<私が裁いた名勝負>ホイスの策は戦前から、それを超えた桜庭。
text by
布施鋼治Koji Fuse
posted2021/07/13 08:00
島田裕二さん
語り継がれる名勝負をその演者のひとり、審判が振り返る。彼しか知らない新たな景色が見えてくる。
2000年 PRIDE GRANDPRIX 2000 決勝戦 準々決勝
桜庭和志 対 ホイス・グレイシー
5月1日/東京ドーム/桜庭のTKO勝ち
人を食ったマスク3人組で入場した桜庭だが、序盤は得意の柔術で組み立てるホイスが優勢に。しかし2Rで道衣脱がし、3Rには道衣をつかんだヒザ蹴り、そして執拗なローキックを繰り出す桜庭が徐々に試合を掌握。7R開始前にホイス陣営がタオルを投げ入れ90分の熱戦が決した。