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《東京五輪で来日》外国人選手団&メディアの“本音”「他国の誤った行動も我々に…」ブラジル五輪委会長や藤井裕子監督らに聞く

posted2021/07/14 17:00

 
《東京五輪で来日》外国人選手団&メディアの“本音”「他国の誤った行動も我々に…」ブラジル五輪委会長や藤井裕子監督らに聞く<Number Web> photograph by Yuko Fujii

藤井裕子監督(右から2人目)らブラジル柔道選手団

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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Yuko Fujii

東京五輪開幕があと10日に迫る中、東京五輪への“懐疑的”な見方は今も根強い。その中で日本へと訪れる外国人選手団は何を思うのか。出国前に取材に応じてくれたブラジルのアスリート、そして柔道男子の藤井裕子監督の連続インタビューをお届けする(全2回の前編/後編はこちら)

 東京五輪の開幕を15日後に控えた7月8日、12日から東京都に4度目の緊急事態宣言が出されること、そして五輪では東京都内、埼玉、千葉、神奈川の会場は無観客で行なわれることが明らかになった(その後、北海道や福島も無観客となった)。

 政府の新型コロナウイルス感染対策の不手際とワクチン接種体制構築の遅れ、国際オリンピック委員会(IOC)の金権体質と横暴さ、国民に多大な犠牲を強いながら東京五輪とその関係者を特別扱いすることの理不尽さなどが、多くの人から批判を受けていた。しかし、どうやら五輪の中止もしくは再延期の可能性がほぼなくなり、すったもんだの末、五輪が行なわれるようだ。

ブラジル五輪委員会会長と柔道選手団に聞く

 5年前にリオ五輪を開催し、7月初めまでに世界で2番目に多い約53万人が死亡し、世界で3番目に多い約1900万人の感染者を出した新型コロナ超大国ブラジル。

 その人々は、五輪開幕前夜の日本の状況をどのように受け止めているのか。選手と関係者は、どんな思いで大会に参加しようとしているのか。これまで彼らはいかなる新型コロナウイルス対策を取り、また今後、日本で講じようとしているのか――。これらの問いを、下記のスポーツ関係者7人に投げかけた。

●ブラジル五輪委員会のパウロ・バンデルレイ・テイシェイラ会長
●ブラジル柔道代表のネイ・ウィルソン強化部長
●ブラジル柔道男子代表の藤井裕子監督
●ブラジル柔道男子代表のラファエル・シウバ(100kg超級。2012年と2016年の両五輪で銅メダルを獲得)
●ブラジル柔道男子代表のダニエル・カルグニン(66kg級。2017年ジュニア世界選手権優勝)
●マルセロ・ラグーナ記者(五輪競技が専門分野で、夏季五輪5回取材。「毎日がオリンピック」というサイトを主宰)
●ウィルソン・バウジーニ記者(日刊紙「オ・エスタード・デ・サンパウロ」の運動部記者で、夏季五輪3回取材)

日本の人々が感染拡大を懸念するのは……

――昨年来、日本では五輪開催反対の意見が飛び交いました。そのことを知っていますか? もし知っていたら、どのように受け止めましたか?

【次ページ】 ブラジル五輪委会長が語る感染防止対策とは

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