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メッシ18歳での代表デビュー戦は1分で“一発レッド” 元主将ソリン「感情を爆発させて…あの時の様子は忘れられないね」 

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栗田シメイ

栗田シメイShimei Kurita

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posted2021/07/14 11:00

メッシ18歳での代表デビュー戦は1分で“一発レッド” 元主将ソリン「感情を爆発させて…あの時の様子は忘れられないね」<Number Web> photograph by Simei Kurita

オンラインインタビューに応える元アルゼンチン代表DFファン・パブロ・ソリン。現在は解説者としても人気を博しているという

――代表のチームメイトとして、ビジャレアル所属時には対戦相手としてもメッシと対峙しました。

 レオについてのエピソードは驚くことばかりだったよ。一度彼の家に招待されたことがあるが、部屋に入るとサッカーボールだらけでだったんだ(笑)。レオは、『ボールに囲まれて生活することが幸せだ』と話していたね。天才と称されることも多いが、私から見ると、その才能が開花したのは努力のお陰だとみている。

 敵としてレオを見たときに最大の特徴は、ゼロの状態から、一気にギアを1000まであげるスイッチを持っていることだ。そんな選手は世界中どこにもいないよ。ドリブルにしても、シュートにしても全てやりきる。中途半端なプレーがなくて、全てを徹底している。そして、何よりも優れている点はどれだけ足を削られようが、ひどいタックルを受けようが、怒りを表さずにすぐに次のプレーに移るということだ。大袈裟にコケてみたり、審判にアピールすることもない。これは世界中の子供たちに見習って欲しい点だ。勝利に全てのベクトルを向けているからこそ、あれだけ多くのものを勝ち取ることができた。
(※7月10日のコパ・アメリカ決勝でアルゼンチンはブラジルを破り、28年ぶりの優勝を達成。34歳のメッシは悲願の国際大会初タイトルを獲得した)

「ビジャレアルは特別な時間だった」

――あたなは02-03シーズンはバルセロナにも所属していましたが、当時のチームの印象は?

 世間からすれば、黄金時代の少し前という印象かもしれない。それでも当時のチームにもカルレス・プジョルにハビエル・サビオラ、シャビ、リケルメといった実力がある選手がいた。あのチームでプレーできたことは誇りだよ。

――その後、パリ・サンジェルマンを経てビジャレアルに移籍しています。

 今はプレミア全盛の時代だが、当時のリーガ・エスパニョーラは世界最高峰の舞台だったと思う。人とボールがどんどん動き、連動して崩していく。観ている人からしても、面白いチームが多かったと思うね。

 特にビジャレアルで過ごした時間というのは、私にとって特別な時間だった。プロとしてデビューしたアルヘンティノス(アルゼンチン)のように、ビジャレアルも人口3万人ほどの小さな町クラブだった。だから、どこか懐かしいという気持ちだったんだ。そんなクラブが私の加入した04-05シーズンは並みいる強豪を押しのけ、3位でフィニッシュした。翌年のCLでもアーセナルに敗れたが、準決勝まで進んだ。これは快挙といっていいし、何よりも非常に魅力的なフットボールを展開していた。

――当時のビジャレアルは“イエローサブマリン”と呼ばれ、流れるような攻撃が魅力的でした。

 マヌエル・ペジェグリーニのもと、優れたタレントを有するチームだった。フォルラン、リケルメ、ホセ・マリらの攻撃陣は強烈だったよ。中盤にはマルコス・セナやサンティ・カソルラが控え、DF陣もゴンサロ・ロドリゲス、GKにはペペ・レイナがいた。南米色が強く、意思疎通が図りやすいチームだった。サイドバックの攻撃参加も多く、本当にプレーしていて楽しい環境だったね。

【次ページ】 リケルメとの関係性

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