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メッシ18歳での代表デビュー戦は1分で“一発レッド” 元主将ソリン「感情を爆発させて…あの時の様子は忘れられないね」
text by
栗田シメイShimei Kurita
photograph bySimei Kurita
posted2021/07/14 11:00
オンラインインタビューに応える元アルゼンチン代表DFファン・パブロ・ソリン。現在は解説者としても人気を博しているという
――果敢なオーバーラップからリケルメとのコンビネーションで左サイドを崩していきましたね。
もともと攻撃が好きなので、チャンスとみれば左サイドで上下動を繰り返していたんだ。リケルメがキープ出来るから、オーバーラップしやすかった。必ずボールが来るという信頼感があったから、走り続けることができた。
リケルメがどんなボールでも上手くトラップするので、リケルメへのパスは時々アバウトに出していたんだ(笑)。それでも驚異的な技術でボールを収めてしまう。途中からはわざと浮き球でパスを出して、そのわずかな時間を利用して意識的に左サイドを駆け上がっていった。リケルメはサイドに流れることを好んだこともあり、時には彼の内側を追い抜いていくと、絶妙のタイミングで私の足元にボールが届いているんだ(笑)。
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彼ほどの技術を持った選手は、私のキャリアの中でもいなかったんじゃないかな。リケルメと共にプレーすることで、フットボールを楽しむ引き出しが増えたよ。彼も私も当時のチームをとても気に入っていて、今でも素晴らしい思い出だ。
驚いたフォルランの練習量
――リケルメもフォルランもビジャレアル時代のパフォーマンスがベストだった、という声もあるかと思います。
このスポーツは、どれだけ技術が高い選手を揃えて魅力的なサッカーをしても点が取れないと勝てない。そういう意味では、フォルランがいたことでフィニッシュの精度が高まり、勝てるチームとなっていった。どんな姿勢からでもゴールに結びつける技術と精神力を持っていた。ビハインドの展開でも、フォルランが点を取ってくれると思えたし、途中で諦めるようなことがなかった。
何よりあれだけの選手だが、チームの誰よりもシュート練習をしていた。歴史に名を残すスコアラーだよ。
――あなたのキャリアの中でもそれだけ特別なクラブだった、と。
チームの雰囲気や残してきた実績もあるが、それよりも私の心に響いた理念があった。ビジャレアルに移籍した際にフロントから言われたのが『ここにはタイトルよりも大事なものがある』ということだった。「魅力的なサッカーを展開して、他のクラブのサポーターからも2番目に好きと言ってもらえるようなクラブになっていきたい。それが私たちの目指すクラブカラーだ」と、ね。この言葉に私やチームメイトも共感し、その理念を実践してきたことがクラブの躍進に繋がった面は大きいよ。
(取材協力・ワカタケ)
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