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柳田将洋、東京五輪落選から今思うこと「まだバレーボールをやりたい。頑張れそうだ、って」選出12名にもエール
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph byMATSUO.K/AFLO SPORT
posted2021/07/06 11:02
5月の紅白戦でプレーする柳田将洋。その日の夜にネーションズリーグの登録メンバーから外れることを聞かされた
とはいえ、夢が絶たれてからすぐ「わかりました」と受け入れられたわけでもない。
紅白戦を終えた夜。メンバーから外れたことを同部屋だった福澤達哉にも伝えた。そこに清水邦広も合流して、少しの時間、話をした。
「お二人とも、いろんなことを経験されているので、あんまり多くは語らないです。でも『ここまでの過程自体が重要なことだった、とこれからの行動で肯定していくしかない。それが今、できることなんじゃないか』と。それだけでもいろいろ伝わったし、支えになりました。あの二人が言ってくれたからこそ腑に落ちたし、そうだな、と前に進めるきっかけになりました。ネーションズリーグを見ながら、選手みんなに頑張ってほしいけど、福澤さんと清水さん。あの年齢までやってこられたお二人のことは、リスペクトも含めてちょっと違う目で見ています」
紅白戦から10日余りが過ぎてからの正式発表を受け、柳田はブログやインスタグラムに思いを記した。「期待していただいているのに、応えられない、(正式発表まで)何も言えないことが心苦しかった」と振り返るが、友人や知人から送られてくるメッセージと共に、SNSに寄せられた声の一つ一つに目を通し、改めて感じた。
「まだバレーボールをやりたい、頑張れそうだ、って思いましたね。オリンピックに出ることは大事で、もちろん今も僕はオリンピックの魅力を感じています。でも支えてくれる人たちがいなかったら、オリンピックも目指せなかったと気づけただけでもありがたかったし、いつまでもオリンピックに片足を引きずられながらバレーボールをしても面白くないじゃないですか。次へ進もうといつ思えるかは人それぞれ違うけれど、自分は自分で、できることがあると思うので。だから、今は前しか見ていないです」
悔しさも、失意も受け止めて「前を向く」。変わらず、柳田は冷静だった。
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