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柳田将洋、東京五輪落選から今思うこと「まだバレーボールをやりたい。頑張れそうだ、って」選出12名にもエール 

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田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

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photograph byMATSUO.K/AFLO SPORT

posted2021/07/06 11:02

柳田将洋、東京五輪落選から今思うこと「まだバレーボールをやりたい。頑張れそうだ、って」選出12名にもエール<Number Web> photograph by MATSUO.K/AFLO SPORT

5月の紅白戦でプレーする柳田将洋。その日の夜にネーションズリーグの登録メンバーから外れることを聞かされた

 さらに1年の延期を経たことで、新たに10代、20代前半の新戦力が加わった。ゲーム形式の練習でも着実に力を発揮する姿を見て、若さや勢いという曖昧な評価にとどまらず、新たな発見があった。

「ディフェンスのレベルが総じて高く、特に高橋(藍)選手はレセプションの精度が高い。石川(祐希)選手も大学生で入って来た頃からレベルが高かったですけど、また違うタイプですよね。僕のイメージとして、若い頃はオフェンシブでも年齢や経験を重ねる中でディフェンシブな部分が高まっていくことはあるけれど、高橋選手はあの年齢でキャリアを重ねた選手と同じようなプレースタイルで、なおかつ得点も獲る。19歳でいきなりあれだけのステージに立ち、あそこまで見せられる選手はなかなかいないと思います」

 5月20日、ネーションズリーグに登録する17名が発表。柳田落選に対し、異を唱える声は少なくなかった。だがその結果に至る過程を、誰より冷静に受け止めていたのは他ならぬ、柳田自身だった。

「去年までの結果は、去年までのことでしかない。代表として戦うのであればその場で結果を残さなければならないし、そういう世界だったからこそ、ここまでやってきた自分にも大きな存在価値が与えられたと思うんです。今まで頑張ったから、キャプテンだったから、ということで選ばれる世界ならば、いつまでやっていても価値は上がらないですよね。どうやってその場所に立つか。強みをアピールして、メンバーに残るべく結果を出してきたからこれまではコートに立てたと思うし、今回は僕にそれができなかったから立てなかった。今はシンプルに。思うのはそれだけですね」

 柳田は次のシーズンで結果を出すべく、すでに前を向いている。ネーションズリーグもFIVBで全試合見られるチケットを購入し、仲間たちの戦いを見守った。

 東京五輪に出場する12名に向けては「誰が選ばれたとしても、人間性も最高の選手ばかり。僕たちも含め、ここまで戦い、選ばれなかった選手の分も背負って戦ってくれると思う」と期待を寄せる。

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