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警察官を目指したマジメな若者が、ドイツ代表の中心選手に… ゴセンスの普通じゃないキャリアとは
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byGetty Images
posted2021/06/29 18:10
ユニークな経歴でドイツ代表に上り詰めたゴセンス。イングランド戦で活躍なるか
ポルトガル戦では1ゴール2アシストの大暴れ
グループリーグ2戦目のポルトガル戦では、1ゴール2アシストの大暴れでマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた。試合後のテレビインタビューでは何度も「ウルトラハッピーだよ」と喜びを爆発させていた。
「最高だよ。代表チームでのゴールは格別なんだ。それも、こんなビッグトーナメントで。もう、なんて言っていいかわからない。今日という日は、僕の記憶にずっと残るはずだ。いろんな感情が入り混じった感じがするよ」
レーブ監督も称賛の声を忘れなかった。
「これが彼の人生最高のゲームだったかわからない。これからさらに素晴らしいプレーを見せる試合があるかもしれない。彼が見せたゴールを感じさせるプレーは、我々がまさに必要としているものだ」
レーブ監督が評価する人間性の高さ
レーブ監督はプレー面に限らず、ゴセンスの人間性も高く評価している。
「チーム内での彼をとても高く評価している。非常にオープンで、コミュニケーションをアクティブに取って、選手たちをつなぎ合わせる役割を担ってくれているんだ。ロビンは考えがクリアで、とてもまっすぐだ。やるべきことがいつもはっきりしている。試合ではどんなシーンでも全力でチームのためにプレーをしてくれる」
ここ最近、どこかあっさりとプレーする印象が付きまとっていたドイツ代表にとって、情熱的なゴセンスは必要な選手といえるだろう。
ファンの心もガッチリつかんでいる。周囲からの期待と信頼は、1ゴール2アシストという強烈な数字を残したからではない。相手のドリブルに最後まで食らいつき、粘り強く体を張ってゴールを守り、ボールがラインを割るギリギリまでプレーを止めない。
そんな姿勢に、ファンは溢れんばかりの拍手を送っているのだ。
ゴセンスは、手本としている人物を聞かれた際に両親の名前をあげている。