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警察官を目指したマジメな若者が、ドイツ代表の中心選手に… ゴセンスの普通じゃないキャリアとは
 

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中野吉之伴

中野吉之伴Kichinosuke Nakano

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photograph byGetty Images

posted2021/06/29 18:10

警察官を目指したマジメな若者が、ドイツ代表の中心選手に… ゴセンスの普通じゃないキャリアとは<Number Web> photograph by Getty Images

ユニークな経歴でドイツ代表に上り詰めたゴセンス。イングランド戦で活躍なるか

「僕を理性的な人間に育て上げてくれたんだ。ああなりたいと思わせてくれる両親だ」

 地への足のつけ方は強靭そのもの。所属するアタランタでは2年連続でCLを経験して、リバプールやレアル・マドリーといったビッグクラブとも対戦している。

 自分もスタープレーヤーの仲間入り、という感覚を持ってもおかしくはない。しかし、ゴセンスにとってそれは決して"当たり前のこと"ではない。

「無数の子供たちの夢の舞台でプレーしているんだよ。普通になったりするものか。僕がアンフィールドロードでリバプール相手に試合をして、しかも、ゴールを決めるなんて。それが普通なわけがない!」

4万人の観客収容に忖度なしの否定的見解も

 曲がったことが許せない性格なのか、社会的な事象にも忖度なくストレートに意見する姿勢に共感するファンも多い。

 欧州スーパーリーグ構想が世間を賑わせた際にもスパッと自分の意見を口にしていたし、決勝トーナメント1回戦イングランド戦に4万人の観客入場が許可されていることにも、記者会見で否定的な見解を示していた。

 イングランド国内における新型コロナウイルスワクチン接種率は70%を超えているが、ここ最近はデルタ株が猛威を振るい出している不安がある。

「現在、ヨーロッパでも感染率が相当に高い唯一の国のスタジアムで4万人の観客……。危険じゃなくはない、という印象を受ける。最適な状況とは程遠いよ」

 ゴセンスの所属クラブであるアタランタがあるベルガモは、新型コロナウイルスが猛威を振るい始めた時期、特に厳しい状況に追い込まれた地域だ。亡くなった方は軍用車で墓地へ運ばれ、医療機関は限界状態だった。あの頃の苦しさ、やるせなさを知っているから黙ってはいられないのだ。

 グループリーグ3戦目ハンガリー戦では相手の執拗な守備を前に沈黙し、批判もされた。それでも、挫けたりはしない。ピッチ上でどんなときでも、どんな状況でも、あきらめることなく最後まで懸命にプレーし続ける。

 泥臭い。スマートではない。だけど、そんな人間っぽさが恰好いいし、そんな姿こそがチームを躍動させるキーとなるはずだ。

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#ロビン・ゴセンス

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