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【球宴ファン投票1位】オリックス宮城大弥が愛される理由とは? SNS担当も知らなかった“五厘刈り”、ドラ1山下舜平大が見た”先輩”としての顔
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byKYODO
posted2021/06/29 11:02
27日西武戦で今季8勝目を挙げた宮城大弥(中央)。伏見寅威(左)と吉田正尚は少し髪が伸びてきた頭に手を置いてポーズ
今年のドラフト1位ルーキー山下舜平大が、以前、高卒ドラ1の先輩・宮城に、「自分をしっかり持っとけよ」とアドバイスされたと話していた。宮城にその心を聞いてみた。
「いろんな先輩がいて、みんないい人しかいないんですけど、先輩やコーチ、監督からいろんなアドバイスがある中で、それを全部しなきゃいけないってことはない。自分がしたいものをするというか、自分を持っておくというのも大事なのかなと思って、ちょくちょくそういう話をしています。
人それぞれ自分のイメージというものがあるので。それに近づくためにやるのはいいんですけど、あの先輩がいい(と言っている)からやる、というのは、僕はちょっと違うと思う。何でもかんでも取り入れると、爆発しちゃう。自分の目指す像があると思うので、彼自身が求めるものだけやってくれたら、すごく身長も高いしポテンシャルもあると思うので、いいんじゃないかと。そういうふうに声をかけました」
初めて見た、宮城の先輩としての顔が新鮮だった。
「まああんまり、僕が言っても言葉の重みはないと思うんですけど」と謙遜するが、いやいや、そうした思考があるからこそ、高卒2年目の今、この成績を残しているのだと腑に落ちた。
とはいえ、今年の球宴ではおそらく最年少。愛すべき後輩キャラは、パ・リーグのベンチでも可愛がられることだろう。
百戦錬磨の先輩たちから、ありったけを吸収して帰ってくる。