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【球宴ファン投票1位】オリックス宮城大弥が愛される理由とは? SNS担当も知らなかった“五厘刈り”、ドラ1山下舜平大が見た”先輩”としての顔
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byKYODO
posted2021/06/29 11:02
27日西武戦で今季8勝目を挙げた宮城大弥(中央)。伏見寅威(左)と吉田正尚は少し髪が伸びてきた頭に手を置いてポーズ
6月11日の練習前、京セラドーム大阪の一塁側ベンチから、選手やスタッフの爆笑する声が聞こえてきた。ベンチから出てきた宮城の姿を見て、記者陣も驚いた。
燦然と輝く見事な五厘刈り。
どうしたのかと聞かれると、「ミスがありました」と真顔で答えた。
坊主頭にするつもりではあったが、予定は「9ミリ」だったという。
「後輩に頼んでやってもらったんですけど、(9ミリ用の)アタッチメントをつけるのを忘れて、0.5ミリになりました」
しかし、「こだわりはなかったんで。たぶん伸びるので」と、怒る様子も恥ずかしがる様子もない。
後輩とは新人捕手の中川拓真で、責任を感じて「僕も丸坊主にします」と言ったそうだが、宮城は「いいよ」と止めたという。
球団公式ツイッターではその日、宮城のビフォーアフターの動画を公開した。長髪の宮城が手を伸ばしてカメラのレンズをふさぎ、その手を離すと丸刈り姿の宮城が姿を現わすという動画。非常に反響が大きく、動画の再生回数は62万回を超えている。
「どんな髪型になるか知らなかった」
元オリックスの投手で、現在は球団SNSを担当する事業企画部宣伝グループの仁藤拓馬さんはその裏側をこう明かす。
「(髪を)いつ切るの?という話をしていたら、『実は今日切るんですよ』と言うので、その時はどんな髪型になるか知らなかったんですけど、せっかくだからビフォーアフターをやりたいなと思って。それで切る前に撮影させてもらったんですけど、翌日、切った姿を見てひっくり返りました(笑)。二度見、三度見しましたね。振り幅がすごかったので、いい動画になりました。バズりましたね。皆さん注目してくれてありがたいなと。それまでの宮城の活躍ももちろんあってのことですけど」