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登録人数が日本の3分の1でも…スイスは“W杯とEUROでフランス、ベルギーに並ぶ実績” 参考になる強化育成のポイントとは
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byGetty Images
posted2021/06/28 17:06
国際大会で手堅く決勝トーナメント進出を果たす印象があるスイスだが、その強化育成は興味深い
「最後のチャンスを前に大切なのは正しい戦術だけではない。我々の価値と美徳をピッチにもたらさなければならない。一致団結、アイデンティティ、喜び、リスペクト。みんなからのポジティブなサポートが必要なんだ」
主将のジャカも「僕らの雰囲気は最高だよ」
このメッセージは、間違いなく選手たちにも届いた。
トルコ戦ではチームとしてのまとまりが随所で見られて、3-1の快勝。調子も雰囲気も上向きだ。セフェロビッチは「ゴールを決められなかったら批判されるけど、問題ないし必要なことだ。でも僕らはチームだ。チームでそのことが問題になったりしない。僕らはチームとして走り続けるし、戦い抜く」と語った。
キャプテンのジャカは「チーム内に問題があったことは一度もない。僕らの雰囲気は最高だよ」と結束力の高さをアピールしていた。
決勝トーナメント初戦の相手はW杯王者フランス。下馬評では圧倒的に不利だ。しかし、元スイス代表でドルトムントなどでも活躍したシュテファン・シャプイサは希望を捨てていない。
「数字上のチャンスが少ないのは間違いない。しかし、チームとしてのパフォーマンスが最大限に発揮されて、フランスの調子が悪い日と重なったら、センセーショナルな結果も夢ではないではないか」
サッカーは何が起こるかわからない。サッカー小国スイスが強国フランスに牙をむく。