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「八村塁、渡邊雄太に負けたくないという思いもある」日本を飛び出してから2年…バスケ馬場雄大の現在地、NBAまでの“距離”は縮まった?
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byGetty Images
posted2021/06/23 17:03
NBLグランドファイナルの第2戦では15得点の活躍を見せ、メルボルン・ユナイテッドの勝利に貢献した馬場雄大
「僕がオーストラリアでプレーしていることで、日本の子どもたちにひとつの可能性を示すっていう意味では希望を与えられるところだと思っています。個人としては、アメリカでプレーするメンタリティとオーストラリアでプレーするメンタリティはほとんど同じ。言葉も文化も違う場所で、プロ選手として結果を求められるのも(アメリカと)同じです」
馬場はNBLのバスケットボールについて、「アメリカと日本の間のような感じ」だと言う。競技レベルの話ではなく、プレーする上でチームでの戦いと個人能力での戦いのバランスのことだ。
「(NBLは)日本と同じようにチームを大切にするけれど、個々の能力だったりというところも追加されて、日本の強化版みたいなイメージ」
そのため、日本のBリーグとアメリカのGリーグ、両方のプロリーグを経験していた馬場にとっては、比較的適応しやすかったのだとも言う。
「アメリカのバスケの知識だけじゃなく、日本でもやっていたので、チームが大切なのも理解していますし、システムのもとでいかにライトプレー(正しいプレー)をするかというのが、もとから頭にもあった。去年アメリカでプレーしたので、瞬間、瞬間のメンタルの必要性っていうのも学んでいた」
アメリカで身についたタフさ
実際、アメリカのGリーグでの経験は、オーストラリアでも間違いなく生かされた。試合で常にアグレッシブにプレーする姿勢や、選手層が厚いチームのなかで試合に出られないときのメンタルの持っていきかたなど、すべてGリーグにいる間に学んだことだ。
「オーストラリアでもプレータイムがアップ&ダウンしている時期があったんですけれど、アメリカで苦労した分、ここでもタフさが生きた。メンタリティ的にタフさをもってプレーするっていう意味ではいっしょかなと思います」
自分の武器であるディフェンス力を発揮したことで、コーチの信頼を勝ち取ることができた。相手のエースのディフェンスを任されるようになり、そこから、攻守で試合の流れを変えるプレーを見せることで、さらに信頼されるようになった。
「僕たちのコーチはすごくディフェンスに重きを置いている。いくら点数取れる選手でも、ディフェンスがなかったら出られないんです。ディフェンスストッパーとして、自分はチームにとって必要な存在だと思う」と胸を張って言う。