NBLの強豪チームのなかで自分の役割を見つけ、存在価値を見せることができた。それは間違いなく、自信になった。

　しかし、それで満足することはない。

「ここでやれたことで自信にもなっているんですけれど、でも僕的には、自分が（目標として）見ているところが雄太とか塁とかに証明されているんですよ」

　渡邊雄太や八村塁ができると証明している世界──つまり、NBAだ。高校のころから目標としてきたNBAに入ること。今、オーストラリアにいるのも、あくまで、その目標を達成するための道のりとして選んだことだ。どれだけNBLで達成感や充実感があっても、もっと努力しなくてはと思えるのは、そのためだ。

「そこ（NBA）しか見ていない。あそこに1日でも早く、1年でも早くたどり着きたいということを考えている。だから今、自信を得ているかっていうことよりも、もっと、そこに向けて何が必要なんだというメンタリティでやっています。足りていたらNBA選手になっていると思うんですよね、なので、常に自問自答しながら、（NBA選手に）なるためには……という思いでやっています」

八村、渡邊の存在は「ありがたい」

　自分が目指す世界に八村や渡邊がすでにいるということは、刺激にもなっている。

「負けず嫌いなんで、僕。同じような年代で、バスケの最高峰といわれるところでやっている選手に負けたくないという思いもある。彼らの活躍がもちろん刺激になっています。彼らが僕にとっては物差しなので。彼らは、どこまでやったらあのレベルでプレーできるというところを示してくれる存在なので、すごくありがたいですね」

　その目標とするリーグに行くために、来シーズンどこにいくのかは、まだ決めていない。もちろんすぐにNBAに入れることがベストだが、それが実現しなかったとしても、すでにいくつかの国のトップリーグのチームが馬場に興味を示しているという。

　日本を飛び出して2年。NBAまでの距離は縮まっているように感じているのだろうか。そう聞くと、馬場はきっぱりと言った。

「はい。だいぶ。海外に来てから2年かかっていますけれど、だいぶ自信もついてきています。海外でプレーするにあたって、自信が一番大切なことだともわかっています。少しずつ、近づいているという感じはあります」