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“例年なら交流戦で荒稼ぎ”のソフトバンクが11位… 得失点差で見ると“2位相当”なのに、なぜ?【セが久々の勝ち越し】
 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2021/06/20 17:02

“例年なら交流戦で荒稼ぎ”のソフトバンクが11位… 得失点差で見ると“2位相当”なのに、なぜ?【セが久々の勝ち越し】<Number Web> photograph by Kyodo News

例年なら強いはずの交流戦でソフトバンクの勝ち星が伸びなかった

交流戦で大きく勝ち越すのが例年の風物詩だが

<過去3年、ソフトバンクのホーム、ロードの勝敗>
 2017年 ホーム7勝2敗 ロード5勝4敗
 2018年 ホーム6勝3敗 ロード5勝4敗
 2019年 ホーム5勝2敗2分 ロード6勝3敗

 3年合計ではホームで18勝7敗2分、勝率.720、ロードで16勝11敗、勝率.593である。例年、ソフトバンクは交流戦で大きく勝ち越して貯金をため、その後のペナントレースも有利に戦ってきた。しかし今年は……

 2021年 ホーム3勝4敗2分 ロード2勝5敗2分

 と、どちらでも負け越したのだ。

 今年のソフトバンクはエース千賀滉大やグラシアルを負傷で欠き、東京五輪アメリカ大陸予選にモイネロ、デスパイネのキューバ勢が出場するために渡米。戦力的には万全ではなかった。それが大きかったのは間違いないが、子細に見ていくと、それだけではないことがわかった。

<12球団のチーム打率と防御率>
阪神 打率.244 防御率3.52
DeNA 打率.297 防御率4.90
中日 打率.250 防御率3.55
ヤクルト 打率.262 防御率4.03
巨人 打率.251 防御率3.84
広島 打率.245 防御率4.99

オリックス 打率.287 防御率3.76
楽天 打率.266 防御率3.96
西武 打率.274 防御率4.73
ロッテ 打率.262 防御率4.45
日本ハム 打率.236 防御率3.41
ソフトバンク 打率.233 防御率3.04

防御率は12球団トップだったのに

 ソフトバンクはチーム打率こそ12球団最低だが、チーム防御率は12球団トップ。援護点は少なかったが、戦力的には大きく見劣りしたわけではなかった。

「ピタゴラス勝率」という指標がある。得失点をもとに勝率を割り出すもので、この数値と実際の勝率を比較することで、そのチームが実力通りに戦ったのか、そうでなかったのかを端的に知ることができる。

 今季の交流戦の勝敗と、ピタゴラス勝率による想定勝敗を並べてみよう。

【次ページ】 負け越しているにもかかわらず得失点差はプラス

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