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“例年なら交流戦で荒稼ぎ”のソフトバンクが11位… 得失点差で見ると“2位相当”なのに、なぜ?【セが久々の勝ち越し】
posted2021/06/20 17:02
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Kyodo News
新型コロナ禍の影響もあって、広島の主催ゲーム3試合が予定日までに終わらなかったが、予備日を使って、今季の交流戦108試合は何とか期間内に消化することができた。今季は12年ぶりにセ・リーグが勝ち越した。筆者は「セはものすごく弱い」と書いた手前、総括をしておきたい。
チーム成績を中心に数字を見ていく。調べてみると、ソフトバンクが不思議な戦い方をしていたことが浮き彫りになった。
<今シーズンの交流戦最終成績>
セ49勝 パ48勝 11分
このように終わった。1つの差とはいえ、セが勝ち越したのは2009年以来のことだ。
パがホームゲームで勝ち切れなかった
今季の交流戦は、例年と異なる傾向がいくつか見える。1つは、パのチームがホームで強くなかったことである。過去3年(2017~19年)の交流戦の戦績をセ・パのホームゲームでみると、以下の通り。
<セのホームゲーム>
セ80勝 パ80勝 2分
<パのホームゲーム>
セ65勝 パ93勝 4分
端的に言えば、セ・リーグの各チームは、自軍の本拠地では互角に戦っていたものの、パの本拠地で大負けしていたのだ。
ところが、今季はこうなっている。
<セのホームゲーム>
セ25勝 パ23勝 6分
<パのホームゲーム>
セ24勝 パ25勝 5分
両リーグのチームは、自軍の本拠地でも相手の本拠地でも互角に戦った。日別にみると、6月11日のパの主催6試合でセが5勝1敗と大勝ちしたのが大きかった。これで大勢が決まったと言っても良い。
パが本拠地で弱かったのは、例年、交流戦のホームゲームで勝ち星を荒稼ぎするソフトバンクが勝てなかったことが大きい。