酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
“例年なら交流戦で荒稼ぎ”のソフトバンクが11位… 得失点差で見ると“2位相当”なのに、なぜ?【セが久々の勝ち越し】
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News
posted2021/06/20 17:02
例年なら強いはずの交流戦でソフトバンクの勝ち星が伸びなかった
ソフトバンクは投打ともに優秀な選手がそろい、好成績を挙げることで勝ち続けてきた。しかしそれだけではなく、適材適所、持ち場ごとに最適の選手がいることで、チームは快進撃を続けていたのだ。
救援陣で言えば、交流戦には絶対的なセットアッパーのモイネロも、クローザーの森唯斗もいなかった。その穴を岩嵜翔、嘉弥真新也、津森宥紀らで埋めようとしたが、果たせなかったということになろうか。持ち駒が乏しい中で、工藤采配も苦労したのだろう。
ソフトバンクの本拠地開催に“もう1つの理由”が
もうひとつ言えば、2年ぶりに行われた交流戦は、観客数が制限されていた。ホームゲームでパが強いのは、実力に加え、応援団の大声援を背中に受けていることも大きかったはずだ。今年のソフトバンクは本拠地PayPayドームでの試合は無観客で行った。このことが、今季の異変の一因になった可能性はあるだろう。
今回のセ・リーグの巻き返しが、両リーグの勢力図の変化の兆しなのか、一時的な現象なのかはわまだからない。とはいえ、セ・パの争いが活性化するのは良いことだ。
次のセ・パ対決はオールスターに日本シリーズ。セ・リーグはここでも強いことを証明できるだろうか?