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宇都宮ブレックス・安斎HC「精神的にギリギリまで追い込まれていた」 CSで千葉に敗れたとき、東地区覇者が考えたこと
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byTOCHIGI BREX INC.
posted2021/06/20 06:00
安斎HC率いる宇都宮ブレックスはCSで千葉ジェッツに敗れ準優勝に終わった
すぐに「来シーズンも頑張ろう」とは思えなかった
レギュラーシーズンで良い成績を残せば選手の年俸もあげないといけないし、同時に一つの区切りとして新たな挑戦をしようと考える選手も出てくる。実際に2年前の千葉はレギュラーシーズンの歴代最高勝率を記録すると、そのときのスタメンが2人移籍することになり、翌シーズンはかなりの苦労を強いられた。そして、ブレックスでも8年間在籍したロシター、5年間チームを支えたギブス、今季の優勝の原動力となったピークがこの夏にチームを去ることになった。
――契約のこともあり、来シーズン以降は変革も求められますね。
「プロとはそういうものですし、お互いの想いだけで契約を進めるというのではなく、色々なバランスもかかわりますし……」
――そのなかで契約を更新して、来シーズンもブレックスの指揮を執ろうと考えた理由は?
「いや、ファイナルが終わって、色々な想いが交錯して、すぐに『来シーズンも頑張ろう』みたいな感じにはならなかったんです。こうしてようやく決めて、発表できましたが」
人生の中でも精神的にギリギリまで追い込まれていた
――そうなんですか?
「CSを戦っている最中から、自分の人生の中でも精神的にギリギリまで追い込まれていたので」
――というのは?
「『優勝しなきゃいけない』という気持ちが強すぎて。『こんなチャンスは滅多に来ない』ということは僕自身もわかっていたので。大事な試合で勝ち切れるチーム作りを含めた僕の力という部分も、正直、自分自身では疑問視したりすることもありましたよ。これだけメンバーがいて、これだけチームのサポートがあるなかで、優勝させられなかったというのは……」
――では、もう一度挑戦しようと考えた理由は?
「『また一緒に戦おう』という話をもらいまいたし、このクラブに対する想いももちろん僕は強くありますし。でも、やはり、負けたままで終われないですから。『このままじゃ、やめられないぞ』と、もう1回頑張ろうというような気持ちにようやくなれたので。だから、チーム作りや今回のCSの反省については、これから休んで、もう少し時間をかけてからやっていきます」
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