ネガティブな思考を封じ、「（一軍に）呼ばれた時にいい結果を残してチームに貢献する、というところを一番に置きながら」1日1日に集中した。そして5月11日、待ちに待った一軍昇格を果たす。

「今年は、全試合フルイニング出場を目指していて、冬場もそのためにトレーニングしていたんです。でもそれは実らなくて。それでも、規定打席にはどうしても到達したかった。だから一軍に上がった時からトップギアで行きました。絶対に結果を残さないといけないんで」

　昇格したその日に1番・センターで先発出場すると、初回に早速ヒットを放つ。開幕からずっと固定できていなかった1番に、以降は福田が座った。

痛恨のミスも、翌日には2安打

　昨季まで内野手一筋だった福田は、フルイニング出場の可能性を広げるためにもと、昨年の契約更改の際に外野挑戦を直訴していた。今季はセンターでの出場が多い。

　初めての外野守備は、「楽しいですよ」と笑うが、時には失敗もある。6月8日の巨人戦では、3－2で迎えた9回表2死二塁の場面で、目測を誤って打球に頭上を越され、同点に追いつかれた。

　滅多なことではへこたれない福田も、この時ばかりは切り替えられなかったという。

「同点に追いつかれたということもですし、（マウンドにいた）Kに申し訳なかった。あれを捕っていればセーブがついていたので」

　それでも、翌日も福田は1番・センターで先発出場し、2安打を放った。交流戦優勝を決めた6月12日の広島戦では、2回2死満塁の場面で決勝の3点適時打を放ち、ヒーローとなった。

「ジャイアンツ戦は僕のミスで引き分けになったんですけど、ああいうミスがありながらも使ってくれるのは、まだまだ成長の過程として期待してくれているんだろうなというふうに思うので、期待にしっかり応えられるように、もっとレベルアップしていきたいと思います」

13日の広島戦でサヨナラ安打を放ったT-岡田　©︎KYODO

　翌日の交流戦最終日も、同点に追いつかれた直後の9回裏に先頭の福田が四球で出塁。T-岡田のヒットで福田がサヨナラのホームを踏み、引き分けを挟む6連勝で締めくくった。

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