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2年ぶりの大学野球選手権で評価アップ「契約金を数千万稼いだ」スターが誕生? 慶大4番・正木智也だけじゃないドラフト候補たち
posted2021/06/17 17:06
text by
高木遊Yu Takagi
photograph by
Yu Takagi
近年の全日本大学野球選手権では必ずと言っていいほど、優勝校にスターが生まれている。それは過去5大会を振り返っても一目瞭然だ。
2015年 早稲田大/茂木栄五郎(楽天・内野手)
2016年 中京学院大/吉川尚輝(巨人・内野手)
2017年 立教大/中川颯(オリックス・投手)
2018年 東北福祉大/津森宥紀(ソフトバンク・投手)
2019年 明治大/森下暢仁(広島・投手)
※大会時、中川は1年、津森は3年。その他は全て4年時
昨年は大会史上初の中止となったことで、2年ぶりの開催となった今大会は慶應義塾大が34年ぶり4回目の優勝を達成。その中で、その“スター”に該当するのは4番・正木智也だろう。準々決勝までの2試合は無安打だったが準決勝、決勝で千両役者ぶりを見せつけた。
準決勝では3回に先制2ランを放ち、8回には決勝タイムリー。福井工大との決勝戦でも初回に先制の2ランで口火を切ると、6回に中押しのタイムリーで13-2の大勝に導いた。
決勝戦では「最後の3アウトを取るまでは喜ばないと決めていました」と表情を変えず、正木が笑顔を見せたのは優勝を成し遂げてから。「苦しい時に打つことができて本当に嬉しいです」と、主砲としての役割を全うした。
正木はかねてより右の強打者として東京六大学リーグ通算10本塁打、今春は10試合で4本塁打を放ち、実績も十分。今大会で初見の投手たち相手にもきっちりと結果を残す精神面の逞しさをアピールしたことで、ドラフト上位指名も十二分に見えてきたと言えるだろう。