スポーツ・インテリジェンス原論BACK NUMBER
【ラグビー日本代表】「ONE TEAM」になるプロセスをもう一度…ライオンズ戦&アイルランド戦で勝利以上に大事なことは?
posted2021/06/18 17:01
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
Kiichi Matsumoto
掛川駅12時8分着のこだま709号。
車両が駅に到着すると、私が乗った車両の乗客はすべて降車した。ほぼ全員がジャージ着用。
ちなみに掛川でお昼を食べようとしたが、どこのお店も満員、駅前のコンビニでは棚がすっからかんになっていた。
2021年6月12日、日本代表対サンウルブズ戦に詰めかけたファンは18434人。
とりあえず、コロナ禍が収まっていない状況で、日本代表が戻ってきたことがめでたい。試合はサンウルブズがアタックに注力した結果、かなりの健闘を見せたが、最終的には日本代表がじわりと圧力をかけて32対17と勝利した。
ただし、選手の入替が自由とあって、勝敗はそもそも度外視、ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチとしては、80分間、日本代表の選手たちに圧力がかかる状況で戦うことを最優先させていたはずだ。
まずは、ここから2023年W杯フランス大会への道がようやく始まったわけである。
名誉あるライオンズ戦への招待
すでにイギリスへと旅立った日本代表は、6月26日に4協会の連合軍であるブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ、翌週の7月3日にダブリンでアイルランド代表と対戦する。
特に、長い歴史を持つライオンズとの対戦は、日本のラグビー史においては大きな意味を持つ。ライオンズは南アフリカへのツアーを控えているが、そのウォームアップマッチの対戦相手として日本を選んだ。いわば、2019年W杯でのベスト8進出を受けての招待である。
日本としてはたいへんな名誉であり、準備期間が少ないとはいえ、それなりの試合をしなければならないが、とはいっても多くのことを望むのは難しい。