濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「腹立たしいんですよ」“2021年のUWF”は殺伐とした対抗戦に 佐藤光留はなぜ田村潔司に激怒したのか?
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2021/06/17 12:07
佐藤光留率いるハードヒットは“U復興”を謳うLIDET UWFの登場に怒りを隠さない
ハードヒットへの対抗意識や逆襲への思いは語らなかった
GLEATの正式な旗揚げ戦は7月1日に開催される。それに向けた先行イベント(6月14日)で、伊藤たちLIDET UWFの選手はミット打ちやスパーリングを披露した。だがマイクを持っても、ハードヒットへの対抗意識、味わった悔しさや逆襲への思いは語らなかった。それは旗揚げ戦とはまた別の話ということか。あるいは、あえて隠しているのか。少し、というかかなり残念な気がした。ハードヒットと向き合うことなしに、LIDET UWFの今後は考えられないからだ。社長である鈴木はこう言っている。
「ハードヒットの選手は、言ってみれば強くて大きな怪獣軍団ですよ。でもヒーローになりたければ、怪獣と闘わないと。競い合うことで、より大きなものが生まれるとも思ってます。愛し合って憎み合う。愛しながら殺す。それがプロレスでありUWFじゃないですか」
使い古された言葉だが、LIDET UWFとハードヒットの闘いは本当に殺伐としている。そこには“演出”の付け入る隙がない。対抗戦らしい対抗戦と言ってもいい。ハードヒットとLIDET UWFのせめぎ合いが“2021年のUWF”だ。
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