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一時「心停止」のエリクセンにインテルやミラン勢もエール… ルカク「アイラブユー!」、“負けても10点満点で9点”キアルの男気とは 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2021/06/14 17:20

一時「心停止」のエリクセンにインテルやミラン勢もエール… ルカク「アイラブユー!」、“負けても10点満点で9点”キアルの男気とは<Number Web> photograph by Getty Images

インテルでのエリクセンとルカク。キアルらも彼の回復を祈っている

初めて覚えたイタリア語は「スクデット」

 白熱した試合は1-1のまま、後半アディショナルタイムへ。延長突入やむなしと思われた97分、伏兵だったはずのエリクセンがFKで決勝ゴールを突き刺した。これで周囲の信頼を得ると、誕生日の2月14日に先発したラツィオ戦でも活躍し、クラブに11年ぶりのスクデットをもたらした立役者の1人になった。

 4大リーグで初めてつかんだ優勝に、バイキングの末裔であるMFは陽気に飛び跳ね、踊り、高らかに歌った。

「初めて覚えたイタリア語の言葉が『スクデット』だった。インテルで新しく勝利のキャリアを作るよ」

 イタリア王者になったエリクセンは、母国開催のEURO2020に意気揚々と臨んでいたのだ。

「シモンにはミラノに来て以来……」

 中断から約2時間後、デンマーク対フィンランド戦は再開された。

 心ここにあらずのデンマークは、59分にフィンランドFWヨエル・ポーヤンパロから泥臭いヘディングを決められ、その後も追撃及ばず。74分に得たPKもFWホイビュルクが失敗し、0-1で北欧対決に敗れた。

 だが、そのスコアは些細なことに過ぎない。

「シモン(・キアル)には、ミラノに来て以来ずっと助けてもらってるんだ」

 冒頭のインタビューの中で、エリクセンは新天地ミラノへの順応に苦しんでいた自分を支えてくれたのが、代表主将キアルであることを飾りなく語っていた。キアルは同じ町のライバル、ミラン所属だが困っている同胞がいたら放っておけない。エリクセンも同じ辺境スカンジナビアの出身だからだ。

「戦術ミーティングでわからないイタリア語があったときにさりげなく表現を教えてくれたり、子供たちをいっしょに遊ばせたり。キアルは家族ぐるみの大事な友だちだよ」

 エリクセンの昏倒後、数分も経たないうちに代表メディカルチームは蘇生作業に入った。主将キアルは歯を食いしばり、涙をこらえながらチーム全員に命令した。

【次ページ】 クリスティアンを守れ! あいつを……

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