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柳田、則本、秋山も地方大学で急成長した…大学3年の“知名度ゼロ”ドラフト候補はこの3人【大学選手権マニアック解説】

posted2021/06/12 06:00

 
柳田、則本、秋山も地方大学で急成長した…大学3年の“知名度ゼロ”ドラフト候補はこの3人【大学選手権マニアック解説】<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

大学3年の“知名度ゼロ”ドラフト候補(2)上武大の加藤泰靖(3年・184cm86kg・右投右打・志学館高)

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安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

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Sankei Shimbun

「第70回全日本大学野球選手権記念大会」は、神宮球場と東京ドームで今たけなわだ。

 昨年はコロナで中止になったこの大会だが、ここまで熱戦が繰り返されて、準決勝まで進んでいる。

 全国の大学リーグの春の勝者たちが集まるこの大会は、高校世代の好素材が各地の大学に分散する傾向を見せ始めた20年ほど前から、俄然面白味を増してきた。思わぬ大学から、アッと驚くような逸材が現れる。

 ソフトバンク・柳田悠岐(広島経済大)、西武・山川穂高(富士大)、楽天・則本昂大(三重中京大)、レッズ・秋山翔吾(八戸大[現・八戸学院大])……挙げていったら、キリがない。  

 今年も、前評判の高かった関西学院大・黒原拓未や西日本工業大・隅田知一郎のドラフト候補左腕たちは、立ち上がりこそ、気負い過ぎによるコントロールの乱れがあったものの、2回以降は本来の「上位候補」らしい投球を見せた。一方で、楽しみにしていた「知らなかった逸材」も、ここまでの闘いの中から何人も現れている。

 来年のドラフト候補になる「3年生」の中から現れた無名の逸材たちをお伝えしたい。

 今年の大学選手権は、コロナ感染防止のために、球場に入れる記者の数がかなり制限されており、テレビ中継による「現場取材」となった。

 試合前のシートノックや、グラウンド全体の守備の動きが見られなかったり、不便もあるが、逆に投球の球筋や選手の表情は“間近で”見られるのがありがたい。今回は、その「視点」からレポートする。

(1)友杉篤輝遊撃手(天理大3年)

 捕手・石原貴規、左腕・森浦大輔(共に広島)…この2年連続でプロ球界に人材を送っている天理大には、今年もプロ注目の左腕・井奥勘太(4年・172cm71kg・左投左打・立正大淞南)がいて、この投手の鬼気迫るような気迫のピッチングも見事だが、もっと驚いたのが、3番を打つ友杉篤輝遊撃手(3年・171cm68kg・右投右打・立正大淞南)の「野球上手」ぶりだ。

【次ページ】 (1)友杉篤輝遊撃手(天理大3年)

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