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13歳でレアルから1億円超のオファー、16歳女性を妊娠させ、バルサと密約でサントス出禁… ネイマールの知られざるトラブル史
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byTakuya Sugiyama(L)/Getty Images(C,R)
posted2021/06/09 12:31
サントス、バルサ、PSG…所属クラブでスーパープレーを見せるネイマールだが、トラブルも多い
PSG移籍後、当初は好調で得点を量産し、2017年の年間世界最優秀選手の投票で3位に選ばれた。今にして思えば、この頃がネイマールのキャリアの最高到達点だったのではないか。
ロシアW杯で失笑を買ったシミュレーション
ブラジル代表では、2018年W杯でエースとしての役割を期待された。しかし、2018年2月に負った右足首の故障が完治しておらず、ダイビングやシミュレーションを繰り返して失笑を浴びた。ブラジル代表は、準々決勝でベルギー代表の前に敗れ去った。
その後、PSGではチームメイトらとの軋轢もあって居心地の悪さを感じ、入団からわずか2年後の2019年6月、古巣バルセロナへの復帰を目論んだ。しかし、PSGとの契約では違約金が設定されておらず、クラブが認めなければ他クラブがいくら金を積もうと移籍できない。PSGは頑として手放そうとせず、ネイマールは心ならずも残留することになった。この経緯がメディアで報じられ、サポーターは怒り狂った。
それでも、黙々とプレーすることで少しずつサポーターの信頼を回復。欧州CLで、2019~20年は決勝まで、2020~21年は準決勝まで勝ち進んだ。その後もバルセロナ復帰やレアル・マドリーなどへの移籍の噂が飛び交ったが、今年5月、PSGとの契約を2025年6月末まで延長した。
つまり、選手としてのネイマールは、多少の紆余曲折はあったものの、世界有数の選手へと成長した。
酒井宏樹への侮辱疑惑など、最近もトラブルが頻発
一方、ピッチ内外でトラブルが頻発している。
2013年にサントスからバルセロナへ移籍した際に父親が不正取引を行なった疑惑に始まり、サントス時代、バルセロナ時代の所得隠しと脱税などの容疑でブラジル、スペイン両国で有罪判決を受け、巨額の罰金を科せられた。また、2019年5月にサンパウロ在住のブラジル人女性をパリへ呼び寄せ、この女性から「ホテルで性的な暴行を受けた」と訴えられた(ただし、証拠不十分で無罪となった)。