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【全米女子オープン優勝】19歳・笹生優花ってどんな選手? 憧れはウッズ、目標は“メジャー10勝”のアニカ…父が語った「アスリート的な思考」とは
text by
キム・ミョンウKim Myung Wook
photograph byGetty Images
posted2021/06/07 11:03
全米女子オープンを制した19歳笹生優花。圧倒的な飛距離を生むトレーニングをサポートしてきた父・正和さん(右)とカップを掲げた
「知り合いのツテで、長野県の蓼科にあるゴルフ場で3泊4日で、12~13ラウンドくらいみっちり実戦ができたのは大きかったと思います。それにラウンドできなくても、日頃から試合を想定した調整を本人が考えてやっていたんだと思います。
あとは(優勝の要因は)飛距離です。アース・モンダミンカップのカメリアヒルズカントリークラブは全長6622ヤード、NEC軽井沢72ゴルフの北コースも全長6710ヤードと比較的長いコース。距離が長ければ必然的に飛ぶ選手が有利になります。今までの経験と実績、ゴルフに対する考え方やアプローチの仕方が大きかったのだと思います」
子どものころからゴルフを教えてきた父だからこそ、娘の長所がよくわかる。正和さんは「(優花は)アスリート的な思考でゴルフを捉えている」と言っていた。
笹生の憧れでもあるタイガー・ウッズもゴルフ界に“アスリート”という概念を生んだ選手である。笹生はプロゴルファーという職業が、世界でどのような存在であるべきかをすでに理解しているということだろう。
掲げていた「壮大な夢」
そういう意味では、笹生にとって日本ゴルフ界はすでに狭い世界なのかもしれない。正和さんが続ける。
「優花も優勝したあとまったく泣いていませんでしたよね。彼女にとって優勝はうれしいことだと思いますが、本当に通過点でしかないんだと思います。アメリカのツアーで活躍することが目標ですから」
アニカ・ソレンスタムの記録を超えるのは並大抵なことではない。だが、これからも続けていく努力と思考は、笹生の壮大な夢を少しずつ現実へと変えてくれるに違いない。