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【全米女子オープン優勝】19歳・笹生優花ってどんな選手? 憧れはウッズ、目標は“メジャー10勝”のアニカ…父が語った「アスリート的な思考」とは
text by
キム・ミョンウKim Myung Wook
photograph byGetty Images
posted2021/06/07 11:03
全米女子オープンを制した19歳笹生優花。圧倒的な飛距離を生むトレーニングをサポートしてきた父・正和さん(右)とカップを掲げた
14歳のときはプロのフィリピン国内ツアーではアマチュアながら優勝し、2016年の世界ジュニアでは2位(畑岡奈紗が優勝)の成績を残した。さらに'18年のアジア大会では、団体と個人で金メダルを獲得。'19年の第1回オーガスタナショナル女子アマでは安田佑香と並ぶ3位タイに入って、日本でもその名をとどろかせたのは記憶に新しい。
彼女は英語も堪能で、5カ国語を話すという。国際感覚が豊かで、ゴルフの才能もある。彼女の思考が世界に向くのもうなずける。
ただ、彼女の人生設計に少し狂いが生じたのは、昨年の米女子ツアーのQT(予選会)に失敗したことだろう。今ごろは米ツアー出場権を得て、アメリカに渡っていたはずだが、すぐには叶わなかった。だが、日本のプロテストに合格し、QTも28位で突破。今季前半戦の出場権を手にしたことで、日本ツアー参戦の道が開けたのだ。
プロ2戦目でV、自粛の影響もなし
そんな中、新型コロナウイルスの感染拡大によって、日本女子ツアーは中止が続き、6月の「アース・モンダミンカップ」から開幕。ここで笹生は5位タイに入って好調を維持。2戦目のNEC軽井沢72で優勝したのだからたいしたものだ。
父・正和さんは娘とのここまでの道のりについてこんな話をしてくれた。
「3月から試合の中止が続き、ジャンボ(尾崎)さんのところにも新型コロナの影響で行けない日が続きました。なのでほとんどコースに出て実戦ができなかったんです。家にある鳥かごに打ち込んだり、トレーニングをしたりして過ごしていました」
実戦から遠ざかったせいで、調子を狂わせる女子プロゴルファーも多い。だが、笹生は新型コロナによる影響を微塵も感じさせない堂々としたプレーだった。
自分のゴルフを実戦で発揮できた要因について、正和さんはこう語る。