酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
イチローは“通算.353でランク外”のナゾ…「プロ野球の生涯打率」青木vs柳田の首位打者争い、糸井や坂本、秋山は3割なるか?
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byTamon Matsuzono/Koji Asakura/Hideki Sugiyama
posted2021/05/31 17:03
青木宣親、柳田悠岐らの“生涯打率首位打者争い”とともに、イチローが日本で残した記録にもう一度注目したいところだ
巨人の中島、3000安打も狙える坂本勇人はどんな状況?
巨人・中島宏之は2011年に4000打数に到達し、そのオフの時点では打率.302だった。しかしアメリカに移籍して復帰した2015年以降、打率3割をマークすることはなく、打率は.295まで落ちている。今年7月31日38歳となる中島が打率.300に復帰するのは相当厳しいと言えよう。
柳田悠岐と同学年で、今年12月に32歳になる巨人、坂本勇人は2018年は打率.345、2019年も.312をマーク。2000本安打を達成するとともに打率をぐっと押し上げた。この勢いで生涯打率3割に迫るかと思わせたが昨年は故障もあって.289にとどまり、今季は打率.299だが現在怪我で登録抹消中だ。坂本には2500本、3000本安打の期待もかかる。今後の奮起を期待したい。
「記録は結果としてついてくるもの。俺は生涯打率なんて気にしない」と言う選手もいるだろう。しかしプロ野球OB選手にとって「分かりやすい実績」は大事だ。「生涯打率3割をマークした〇〇さん」は重要な肩書になる。
こうした数字にこだわるのは、プロアスリートとして決して恥ずかしいことではないと思う。
シーズンごとの目まぐるしいペナントレースの背景で、大河ドラマのようにゆっくりと移ろっていく「生涯記録」にも注意を払っていきたい。
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