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プレミア「チーム内得点王への依存度」を調べた GKアリソンがゴールしたリバプール、トッテナムはソン&ケイン頼みすぎ?
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph byGetty Images
posted2021/05/27 17:03
トッテナムのケインとソン・フンミン、リバプールのサラーの決定力は圧倒的だ。ただ裏を返せば彼ら頼り、とも言える
チェルシーは58ゴールに対して16人が得点!
最も得点者の偏りが少ないといえるのはチェルシーだ。チームの総得点58得点を16人で稼いでおり、トップスコアラーはMFのジョルジーニョの7ゴール。さらにこの7つすべてがPKによる得点なのだ。
プレミアリーグ4位クラブのチーム内得点王が、すべてPKでのゴールというのはかなり のレアケースだろう。
ただし、FW陣の働きは多少の物足りなさが残った。12試合6ゴールと最も効率よくゴールを挙げていたタミー・エイブラハムは、トーマス・トゥヘル体制以降めっきり出場機会が減少。
同じく6ゴールのティモ・ベルナーだが、こちらは35試合に出場しての数字だ。トゥヘルの下ではセカンドストライカーとして、ゴール以外での大きな貢献があったとはいえ、ゴール前の働きに期待して費やした約4750万ポンドに見合うとはいえなかった。
得点者が分散のマンCもトップスコアラーはMF
同じく得点者が分散したマンチェスター・Cも、トップスコアラーはMFだ。シーズン途中に0トップシステムで覚醒したイルカイ・ギュンドガンの13ゴール。
ガブリエル・ジェズスやセルヒオ・アグエロらFWの負傷離脱があった時期に得点を量産し、公式戦21連勝に大きく貢献した。シティのプレミアリーグ制覇は彼なしには成し得なかっただろう。
またチーム全体では16人で計83ゴールを記録。4連覇のカラバオ杯、ベスト4のFAカップ、そしてファイナルまで勝ち進んだCLとの戦いを両立できたのは、誰が欠けてもペースが落ちない圧倒的な層の厚さによるものだったことを証明している。
総力戦だったリバプール、1/3のゴールがサラー
シティに王座を明け渡したリバプールは、最も「総力戦」の意味合いが強いクラブだ。ビルヒル・ファンダイクやジョー・ゴメスらの長期離脱でセンターバックが壊滅し、中盤から前線にかけても常に主力の2~3人を欠いた状態で1年を戦い続けた。そんな今季を象徴するような数字になっている。
マンチェスター勢やチェルシーと並びリーグ最多の16人のスコアラーがいたものの、全得点の約3分の1をモハメド・サラーに頼る結果となった。