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“移籍前はメンタルも落ちていた”香川真司33歳が赤裸々に明かす現状「理不尽に思えるくらいの練習も」〈単独インタビュー〉

posted2022/04/15 17:02

 
“移籍前はメンタルも落ちていた”香川真司33歳が赤裸々に明かす現状「理不尽に思えるくらいの練習も」〈単独インタビュー〉<Number Web> photograph by STVV

21-22シーズン、ベルギーのシント・トロイデンでプレーした香川真司

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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STVV

香川真司は2021-22シーズン途中から、ベルギーの地を戦いの場に選んだ。シント・トロイデンに加わり、レギュラーシーズン最終節では移籍後初の先発出場で原大智のゴールをアシストするなど、持ち味を発揮した33歳は今何を思うのか。自身についてや日本代表の現状について思うことを幅広く話を聞いた(全2回/#2も)

 経験を重ねたアスリートはどのようにポジティブさをもって、自分の心に火をともしていくべきなのか。前後編にわかれた香川真司へのインタビューのテーマとなった。

 2022年の初頭にベルギーのジュピラーリーグに所属するシント・トロイデンへの移籍を決めた。香川は、日本から渡欧する直前まで、Jリーグでプレーする仲間らの力を借りながらしっかり自主トレーニングをしていた。

 しかし――。

「合流して最初の1週間は、練習での身体の動きと自分の考えていることが一致しなくて。当初は『こんなにギャップがあるのか』とショックを受ける部分すらあったんです。だけど……」

 もちろん、この話には続きがある。

 ただ、そこに進む前に、インタビュー前編では昨年の1月からおよそ11カ月所属していたギリシャのPAOKテッサロニキに在籍していた時期から振り返ってもらった。

ギリシャでの時間はメンタル的にも落ちていました

――PAOKでの1年弱を振り返ってもらえますか?

「ギリシャでの時間はメンタル的にも落ちていましたね」

――日本からも見られる練習の映像の一部などからは、しっかり取り組んでいるように映っていましたが? 

「そもそも、ヨーロッパに来てから全てのシーズンで、最終的には『今シーズンも自分はまた成長したし、ベストの香川真司になった』と思えていました。特に、トゥヘル監督がドルトムントに来て以降(2015-16シーズン)はむしろ、その感覚が年々強まっているくらいで」

――チームとしての目標を達成できずに終ったシーズンはあったにせよ、監督から冷遇されても、シーズン終盤にはレギュラーポジションと同時に、個人的な自信や手ごたえをつかんでいましたね。

「ただ、ギリシャでは唯一、それが得られなかった。移籍する前に聞いていた話と実際の監督の考えとのギャップなどもありましたけど、ケガをしてしまいましたからね。加入して1カ月くらいで戦列を離れて、復帰できたのがシーズン最後の2週間くらい。あれはさすがにこたえたし、そのまま翌シーズンを迎えましたけど……」

あの経験に自分が負けなかったと証明するために

――気持ちでプレーする香川選手にとってかなり大変でしたね。

「原因が自信の問題なのか、モチベーションの問題なのか、一時的なものなのかどうかはわからないですけど、今までにはなかったことでした。だから数カ月で終わった昨シーズンを経て、今シーズンに入ってから『環境を変えないといけないかな』と思うようになりました」

――そこまで赤裸々に語れるようになったということは、あの時間を無駄にしないための戦いに挑む決意が固まったということでしょうか?

【次ページ】 少なくとも2022年W杯まではヨーロッパで戦うと

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シント・トロイデン

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