格闘技PRESSBACK NUMBER
那須川世代は“育ちからして違う”? 「天心君を超えたい」令和のキックをひっぱる志朗の変貌と石井一成の初体験
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph bySusumu Nagao
posted2021/05/25 17:02
21年2月、天心戦に挑んだ志朗。トーナメントにかける思いは強い
試合後のパンも焼肉もお預け
すべては7月から53kgで闘うための準備だった。RISEに参戦して以来、志朗は57kg級と55kg級で闘い、それぞれ結果を残してきた。53kg級への転級は新たな挑戦だ。急激な減量が、いいパフォーマンスに結びつかないことはよくわかっている。
「格闘家は試合が終わったら、1週間くらい好きなものを食べられるだけ食べる。それで4~5kgは絶対増える。でも、53kgで闘うと宣言した以上、自分は暴飲暴食はできない」
那須川のフィジカルトレーナーとともに志朗のそれも務める永末“ニック”貴之トレーナーからは「半年間だけ我慢」と言い渡された。これまでだと、試合後は減量中は食べなかったパンや焼き肉を口にするケースが多かったが、トーナメントが終わるまではそれもお預けということだ。
「いつも57kg台をキープする感じで生活しないといけない。食事は高タンパクな鶏のムネ肉とささ身が中心。あとは少量の野菜と炭水化物もある程度とりながらやっています」
“那須川天心以外に負ける姿は想像できない”
抽選の結果、初戦ではRISE初登場となる滉大と対戦する。滉大は過去大崎一貴にしか負けていないHOOST CUPスーパーフライ級王者。今大会にエントリーしている政所仁や風音からも勝利を収めている。志朗は未知の強豪との対戦を喜んだ。
「試合映像を見る限りコンビネーションもうまいので、こっちのテンションも上がる」
もちろん優勝を狙うが、志朗にはもうひとつ大きな目標がある。
「最近、『那須川天心以外に負ける姿は想像できない』とよく言われる。やっぱりそういうイメージは払拭したい。今回のトーナメントに優勝することで天心君を超えたい」