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寺山日葵(20)がAKARI(17)戦で感じた“那須川天心のセコンド力” 「目指している背中はもっと遠いところにある」
posted2021/05/26 11:00
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
RISE
立ち技格闘技イベントRISEの無観客ビッグマッチ『RISEonABEMA2』(5月16日)のメインイベントは、寺山日葵vsAKARIであると同時に〈那須川天心vs神村エリカ〉だった。
RISE QUEENミニフライ級タイトルマッチ。チャンピオン寺山のセコンドには那須川、チャレンジャーAKARIには神村がついた。那須川は言わずと知れた格闘技界を代表する選手。RENAとのライバル関係でも知られる神村は、那須川が登場する以前のRISEにおける強さの象徴だった。
高校生でベルトを巻き、20歳で引退する
20歳の寺山は那須川と同じTEAM TEPPEN所属。ジュニア時代からともに練習してきた。壁にぶつかってもなかなか口に出せないタイプだという寺山に、常に的確なアドバイスをくれるのが那須川だという。
挑戦者のAKARIは17歳の高校生。RISE QUEENのベルトは師匠・神村が巻いていたものだけに「ずっと憧れてきました」と言う。2019年にデビューし7戦全勝でタイトルマッチへ。高校生でベルトを巻き、20歳で引退するという野望も語っていた。
20歳で引退しても早いと思わないほど濃密な時間を過ごしてきたということだろう。前回の試合では神村が現役時代に着用していたガウンを控室でプレゼントされ、袖を通しただけで涙を流した。
だが初のタイトルマッチは、無敗の新星にとっても簡単なものではなかった。試合後のAKARIは「ファーストコンタクトで感じたやりにくさを最後まで引きずってしまった」と目に涙を浮かべた。
判定は3-0。ジャッジ3者とも1ポイント差の接戦だったが、タイトル戦限定の5ラウンド(通常は3ラウンド)の中で確実にポイントを取り、トータルで優位を印象付けたのは寺山だった。