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那須川世代は“育ちからして違う”? 「天心君を超えたい」令和のキックをひっぱる志朗の変貌と石井一成の初体験
posted2021/05/25 17:02
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph by
Susumu Nagao
トーナメントの出場メンバーを見て、これだけワクワクするのはいつ以来だろうか。
7月18日、大阪で開幕する『RISE DEAD OR ALIVE 2021 -53kgトーナメント』。各団体のチャンピオン、あるいはそれに準じる実力者が集結し日本一を決めるというコンセプトは旧K-1の『WORLD MAX~日本代表決定トーナメント~』と重なり合う。
今年に入ってから新型コロナウイルスの影響で、他のスポーツ同様格闘技イベントも外国人選手の招聘が難しくなっている。そうした状況を逆手にとり、那須川天心が主戦場とするRISEは日本人同士による夢の対決で勝負に出た。
那須川と2度に渡り高度なフェイント合戦を繰り広げ、知名度を高めた志朗は同トーナメントの注目選手のひとり。5月17日に行なわれた組み合わせ抽選会では「キックボクシング史上、最高のメンバーが集まった」と興奮気味に語っていた。「来年以降、これ以上のメンバーは集まらないと思う」
“優しい怪物”が志朗と本戦で闘う予定だったが
5月16日に開催された無観客大会『RISEonABEMA』では、そのプロローグというべき一戦が組まれた。すでにトーナメント出場が決定している志朗と石井一成がエキシビションマッチで激突したのだ。
当初はRISE53kg級王者である“優しい怪物”大崎一貴が志朗と本戦で闘う予定だったが、大崎の実弟でこの階級の強豪でもある大崎孔稀が新型コロナウイルスに感染。兄は濃厚接触者と見なされ、試合をキャンセルせざるをえなかった。
石井戦はエキシビションなので計量はない。しかしながら決戦前日、他の試合の計量時間に合わせ、志朗はジムで計量器に乗った。大崎戦は先方の希望で55kg級に設定されていたが、志朗は54kgで闘うつもりだったので石井戦も同じ体重で闘いたかったのだ。計りの針は53.6kgを指していた。
「非公式計量です(笑)。前日夜、水抜きをやってそこまで落しました」