Number ExBACK NUMBER
“長谷部誠の何がスゴい?”対談で…内田篤人が岡崎慎司にズバリ聞く「引退は?」「日本に帰ってこないの?」
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byGetty Images
posted2021/05/21 11:01
日本代表のチームメイトとして長谷部誠とともに戦ってきた内田篤人と岡崎慎司
岡崎 でも、ウッチーさぁ、シャルケの退団セレモニーのとき、ドイツ語で挨拶してたやん。
内田 あれはね、俺が日本語で書いた挨拶文を、通訳の人にお願いして、ドイツ語に訳してもらったの。それをカタカナで書いてもらって、読んだだけだから。
岡崎 7年くらいいた?
内田 7年半いて、全然、しゃべれてないよ。
岡崎 いやーわかるわぁ。俺も全然アカンかったし。
内田 いらないんだよ、言葉なんて。試合に出ていたら。俺もオカチャンもそうだったじゃん。
「勉強したほうがいいって今なら言える」
岡崎 でもね、ウッチー。俺もずっとそう思ってたけど、最近考えるのよ。『言葉がしゃべれていたら、こんなことなっていないのになぁ』って。そんな風に思うことがいっぱいあるよ。
内田 そうなんだ。
岡崎 プレーで圧倒できていたときは、言葉なんていらないって思えるけど。たとえば、プレーが圧倒的じゃなくなったときの寂しさとかは、なかなか難しいものがあるし。一瞬でメンバーを外されたりとかあるし。年齢を重ねれば、重ねるほど……。
内田 ふううん。
岡崎 もし、これが言葉を話せたら、全然違うのかなって思うことも多いねん。
内田 いまスペイン語勉強しているの?
岡崎 多少?(笑)
内田 ハハハ。俺、オカチャン、好きだわぁ。そういうところ好きだわ。
岡崎 けど、次の世代には、勉強したほうがいいって、今なら言える。話せるにこしたことはないから。勉強しとけって、本心で言える。やっぱりやっていたほうがいい。
内田 そうだね。
岡崎 言葉を話せたほうが、その国の人も認めてくれるから。俺とかウッチーは、プレーで存在を証明できたけど。それができないときも事実あったわけやん。もちろん、「日本人として欧州で戦いたい」という気持ちも強かったから、言葉を覚えなくてもって思ってたし、それで頑張れたからよかったけど。
内田 なるほどねぇ。