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“長谷部誠の何がスゴい?”対談で…内田篤人が岡崎慎司にズバリ聞く「引退は?」「日本に帰ってこないの?」
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byGetty Images
posted2021/05/21 11:01
日本代表のチームメイトとして長谷部誠とともに戦ってきた内田篤人と岡崎慎司
岡崎 一番大事なのはサッカーだっていうのは変わらへんけど、でも言語を勉強してその土地の文化も好きになったほうが、海外生活でのストレスはなくなるよね。
内田 そうだねぇ。
岡崎 ハセさんとかはそういうストレスがないんじゃないかな。ひとりで全部できるだろうから。
内田 日本よりもドイツが暮らしやすいって言っていたよね。俺は全然、東京でいいけどな。
「ハセさんとか、永嗣さんとかを目指してほしい」
――岡崎さんが感じているストレスとは?
岡崎 ピッチ上やチーム内では通訳がいなくてもなんとかなるけど、私生活では難しい。それがストレスですよね。日本にいたら、なんでも自分でできるけど。ここでは、通訳がいないと身の回りのことができなくなる。それって常に誰かの助けが必要ということだから。うちは子どもが大きいから、学校のこととかでもサポートをお願いしなくちゃいけないことが多くて。そのやり取りにも気を使うから。ハセさんなら、そういうことまで自分でできるでしょ? それがすごいよなぁ。
内田 永嗣さんもそうだよね、きっと。
岡崎 だから、若い選手にはハセさんとか、永嗣さんとかを目指してほしいなって思う。
内田 そうそう。でも、例外として、俺とかオカチャンみたいに「なんとかなるぞ精神」のヤツも必要やろうって思うよ。
ブラジルW杯「めちゃくちゃ我慢した、泣かないように」
日本代表で長くその任についていた長谷部キャプテンは、「個性的な選手たちを繋げるために、いつもチームのことを考えていた」とふたりが口を揃える。そして、2018年ワールドカップロシア大会での最後のミーティングで、長谷部は代表引退を宣言した。涙を流す選手も多いそのミーティングを締めたのが岡崎。その意外な言葉に、会場は大爆笑に包まれたという(詳しくはNumber「長谷部誠は知っている」でお読みください)。
話はブラジル大会に遡った。
内田 ブラジルのワールドカップ(2014年)の最後のミーティングでもみんな泣いてたよね。オカチャン泣いてた?
岡崎 いや、みんなが泣いているときは、俺もちょっとは来てるねん。「ああ来てる来てる」って思いながら、「俺は泣かへんぞ」って。
内田 俺もあのときはめちゃくちゃ我慢した、泣かないように。
岡崎 わかる。