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【独占】“ワンダーキッド”オーウェンが追悼する名将ウリエ…「ジェラードもキャラガーも同じ気持ちのはず」と言うワケ
posted2021/05/15 17:02
text by
フィリップ・オクレールPhilippe Auclair
photograph by
Getty Images
ジェラール・ウリエの他界が報じられたのは昨年12月14日。享年73。リバプールの元監督は、20年近く患っていた心臓の病で帰らぬ人となってしまった。
同邦の英国在住フランス人ライターである私にとって、彼は良き友人であるとともに、心から尊敬できる人物でもあった。悲報が届いた月曜の朝、私は打ちひしがれた心に鞭を入れて、追悼コメントを集める任務を請け負った。
恩師への想いを口にしてくれたのはリバプール時代の教え子、マイケル・オーウェンとジェイミー・キャラガーだ。ショックを抑えながら話してくれたリバプールOBの言葉は、純粋で、そして温かかった。
「ワンダーボーイ」ことオーウェンは、ウリエが指揮したリバプールで2001年度にバロンドール(世界年間最優秀選手賞)に輝き、国内外の強豪クラブでスポットライトを浴びた元ストライカー。一方のキャラガーは、故郷のクラブ一筋で通した地味な守備者。個人のキャラクターも選手としてのキャリアも異なるが、2001年に成し遂げたリーグカップ、FAカップ、UEFAカップ(現・EL)の国内外カップ選手権3冠(コミュニティー・シールドとスーパーカップを含めれば5冠)をはじめ、リバプールを数々の栄光に導いた。
2000年代初期の「リバプール成功の父」とも言うべき元監督に抱く敬愛の念は同じだった。
彼らが口にした言葉は、2人一緒の席で話してくれたかのように似通っていた。まずは、オーウェンが語る亡き恩師への思いを紹介しよう。
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『第2の父親』的な、最大の人物を失った
本来なら、あの月曜の朝は、祝福の1日の始まりになるはずだったんだ。12月14日は僕の誕生日だからね。それなのに起きた途端に悲しい知らせを聞くことになった。自分の人生において『第2の父親』的な、最大の存在と言える人物を失ってしまった。重苦しい気分で悲しい1日を過ごすことになったよ。
それは僕の家族も同じだった。