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【73歳に】「革命を起こせや」江夏豊が揺さぶられた野村克也の言葉、王よりも長嶋が苦手だった理由、“21球”にあった怒りと衣笠祥雄の声かけ
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byKazuhito Yamada
posted2021/05/15 11:01
1984年、西武時代の江夏豊。「江夏の21球」や「オールスター9連続三振」など今も語り継がれる逸話は多い
<名言5>
ピッチャーっていうのは因果な商売で、一球で地獄を見る。反対にバッターは一振りで天国へ上がれる。
(江夏豊/Number442号 1998年4月9日発売)
◇解説◇
1998年、メッツに入団した吉井理人を視察に訪れたオープン戦を見て残した言葉だ。
江夏自身、現役引退を表明した後の85年に海を渡り、ブルワーズの春季キャンプに参加している。36歳でメジャーに挑戦したことで、現地メディアの間でも注目を浴びた。
そこで江夏はアメリカで驚きの経験をした。
「オープン戦で打たれっこない、あそこまで飛びっこないっていうアウトローのボールを、右バッターに右中間まで運ばれた。ライト前だなと思って見とったわけよ。でも打球は落ちないで、そのままスーッといっちゃうんだから、そりゃ、唖然とするよ」
日本では考えられない規格外のパワーを目の当たりにしたことで、「攻撃的な気持ちでピッチングできなくなっちゃうんだよ」と一発の強さを知ったという。
自身が叶えられなかった夢を託した後輩たちにエールを送りながらも、ピッチャーという稼業の厳しさを簡潔に表現していた。
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