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【初対決は6月26日】ラグビー日本代表が注意すべき選手とは? “連合ドリームチーム”ライオンズ「南アフリカを倒すため」に選ばれた37名 

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竹鼻智

竹鼻智Satoshi Takehana

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posted2021/05/12 17:01

【初対決は6月26日】ラグビー日本代表が注意すべき選手とは? “連合ドリームチーム”ライオンズ「南アフリカを倒すため」に選ばれた37名<Number Web> photograph by Getty Images

ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズの主将に任命されたLOアラン=ウィン・ジョーンズ

 選手層の厚さから毎回多くの選手を送り出すイングランドだが、今年のシックスネーションズを5位で終えたこともあり、今回は11人の招集に留まったが、その中でシモンズの招集は大きな話題の1つとなった。

 2017年のアルゼンチン遠征でイングランド代表入りを果たしたが、翌18年のシックスネーションズで5位という結果の“戦犯”とされたのか、その後は代表から遠ざかり、現在まで7キャップに留まっている。しかしながら、所属クラブのエクセターの主力として、昨季はプレミアリーグと欧州チャンピオンズカップの2冠に貢献。今季も現在プレミアシップ2位につけるチームの大黒柱として活躍を続けている。

 188cm、115kgのシモンズはテストマッチレベルでも決して小柄ではないが、選手としての特徴はこの体格では稀なほどの敏捷性とスピード。試合の終盤で大きくボールを動かしてトライを狙いにいく戦術に出る場合、シモンズのような選手は効果的なインパクトサブとして投入できる。26歳とピークの年齢にあり、ガットランドHCはイングランドの指揮官エディー・ジョーンズHCとはまた違った目線でシモンズの動きを評価していたようだ。

 ちなみに、イングランド代表でジョーンズHCがNo.8として信頼を置く、60キャップを誇るビリー・ブニポラは、ライオンズには招集されていない。188cm、130kgの体躯を誇るブニポラは、典型的なパワー型の選手でシモンズとは異なるタイプのNo.8だ。チームの目的、HCの個人的な戦術の嗜好などの違いが見える。

 一方、ガットランドHCが長きにわたって育ててきたウェールズの主力選手はまだまだ健在で10人がライオンズ入りを果たした。アイルランドとスコットランドからはそれぞれ8人の選手を送り込むなど、僅差で実力が拮抗した今年のシックスネーションズを反映するメンバー構成となった。

セットで注目したい司令塔

 チームを操縦するSOに選ばれたのは、ダン・ビガー(ウェールズ)とフィン・ラッセル(スコットランド)だ。

 これまで、クラブ、代表共に僅差の決着となった数々の大勝負をモノにしてきたビガーは、大舞台での勝負強さが光る。司令塔としての冷静な試合のコントロールだけでなく、攻守共に闘志を剥き出しにした激しいプレーも見せてきた。代表でハーフバックを組むSHのガレス・デービス(ウェールズ)と共に、ガットランドHCの信頼も厚い。

 もう1人の司令塔ラッセルは、スコットランドラグビー界が生んだ最大のファンタジスタとも言える選手。ハイリスクハイリターンと表現される長いパス、ピンポイントの正確性でディフェンスの裏を狙うキック、そして広いスペースでディフェンスに走り勝つスピードも持つ。比較的「堅い」タイプであるビガーとは異なる、流動性溢れる攻撃型SOというのがラッセルのスタイルだ。代表で相方のSHを務めるアリー・プライスと共にライオンズ入りしたことで、奔放なオープンラグビーをライオンズにもたらしてくれそうだ。

 このチームではインサイドCTBとして起用される機会が多いだろうが、イングランド代表キャプテンのオーウェン・ファレルもSOのオプションの1人だ。FWの巨漢選手を正面からカチ上げる激しいディフェンスもできるファレルは、SOのチャンネルへの“打撃”から好機を作ろうという戦術に対する有効な防御策でもある。攻撃面でもSOとして十分な実力を誇るファレルだが、ライバルに比べて抜きん出ているのは、その強固なデェフェンスだ。

 日本戦では誰が10番に起用されるかも楽しみな見どころだろう。

【次ページ】 ガットランドHC好みの“器用なプロップ”

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