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【初対決は6月26日】ラグビー日本代表が注意すべき選手とは? “連合ドリームチーム”ライオンズ「南アフリカを倒すため」に選ばれた37名
text by
竹鼻智Satoshi Takehana
photograph byGetty Images
posted2021/05/12 17:01
ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズの主将に任命されたLOアラン=ウィン・ジョーンズ
もう1人、ガットランドHCの好みが表れているのが、前回のライオンズ遠征でニュージーランド代表とのテストマッチで全3試合スタメン出場を果たしているアイルランドのタイグ・ファーロング。今年のシックスネーションズでも、120kg超えのタイトヘッドPR(3番)ながら大会最多ジャッカルを記録するほど多くのブレークダウンに絡んだ。
その体格からは想像も出来ないような身軽さも持ち、現役時代に「器用な一列」としてHOを務めたガットランドHC好みの選手。日本にとってもスクラムやブレイクダウンでの脅威となる存在だろう。
このほか、怪我人や戦術の理由から日本でも知られたビッグネームは落選したものの、イングランド代表の核を担う長身LOマロ・イトジェら各代表で中心を担う豪華メンバーが顔を揃えた2021年のライオンズ。シックスネーションズで大会優秀選手賞に輝いたFLハミッシュ・ワトソン(スコットランド)や売り出し中のWTBルイス・リースザミット(ウェールズ)、ドゥハン・ファンデルメルヴァ(スコットランド)ら新顔にも期待が集まっている。
日本代表のアドバンテージは?
ただ、代表も所属クラブも異なる“今夏限定”のライオンズに比べれば、日本代表の連係面での完成度は高いはずだ。かつて日本を率いたエディー・ジョーンズも、真剣に勝ちにいくべき試合だと語っている。
「日本代表は、ライオンズの初戦を叩くべきです。チャンスは十分にあります。このレベルの大勝負では、準備が鍵。急いでバタバタと準備をしなければならないライオンズに対し、日本代表は準備面でアドバンテージを持っています」
日本も2019年W杯以来テストマッチを行っていないが、今や世界のスーパースターたちがひしめくトップリーグから選ばれた先鋭たちの試合勘やフィットネスには何の問題もない。さらにスーパーラグビー アオテアロア(NZ)で新人賞を獲得したハイランダーズのNo.8姫野和樹、TOP14(フランス)のクレルモンでの活躍が評価されて欧州最優秀選手賞にもノミネートされたFB松島幸太朗など、個々で世界と渡り合える才能たちもここに加わる。
133年の伝統を持つブリティシュ&アイリッシュ・ライオンズの歴史に初めて名を刻む日本代表。2023年W杯へ向けて、どんな戦いぶりを見せてくれるだろうか。